実は昨日の帰り、Rちゃんママに娘を預け、 以前住んでいた中目黒の駅で途中下車した。
住んでいたのは、駅近く川沿いの1DKのマンションだった。 記憶が正しければ、高校入り立ての時かな。
母は大田区に住んでいて、私のためにここを借りたのだった。 母は五反田のクラブで働き、大田区と目黒区を行き来していた。
記憶にあるのが、そのマンションの屋上でローラースケートをして 一番上の階に住んでいた大家さんに怒られたこと。 その時の屋上は小さかった。
下のコンクリートのところで、男は母の髪の毛を掴み、 コンクリートに打ち付け、母の頭から血が流れていたこと。
住所は、「上目黒」であったこと。
「上目黒」は、東急ストアが見えるような近いところで、 それを越えると青葉台になる。
何度も駅から青葉台の一歩手前を行ったり来たりしたが、 同じような小さなマンションがたくさんあって、 結局どれかわからなかった。
それに、当時は新築だったとしても、 あれから20年近く経っているんだからな。
一応、母に聞いてみればわかるかも、と、 住所とマンション名を携帯に記憶させてきた。 (翌日、母から電話があり聞いてみたが、母も「もう忘れたよ。」と言っていた。それくらい覚えておいてほしい。。)
なぜここに住んだのか。 当時、小劇団に入っていて、そこの練習場所が近くにあったこと、 高校に通うのが楽だったこと。 多分、そんな理由からだったと思う。
劇団の稽古場は やはり同じ川沿いに駅方向に行った先だ。 階段から降りていくと懐かしいかび臭くさと汚さが目に入ってきた。
なんたって、以前住んでいた時、目黒川が氾濫した際、 埋まっちゃったんだからな。 出先から家に電話したら、母が 「駅からずっと膝まで水がある」と言われ、友だちの家に泊めてもらったものだ。 本当のことかわからないが、「冷蔵庫も浮いていた」と、母は言っていた。
コンクリートのうちっぱなし。 どこぞの地下の倉庫のような、巨大冷凍庫があるような雰囲気。
確か、ここだったよな。 ドアは重く閉ざされていて、
「dance! dance!」
というポスターらしきものがドアに貼られている。
このドアの向こうで、私のタオルが「ミルク臭い」とかってからかわれたりしたんだ。 そのタオルを首に下げてみんなで水飲み場まで行く様子、 頭に浮かんできたけれど、何もかも途切れ途切れで何のこっちゃわからない。
中は見られそうにないな。 と諦めまた階段を上る。
階段の途中の張り紙に、 「月契約290,000円,時間貸しもあり,相談」 と書いてある。
階段を上がり切ると。。 そういえばさっきもいたっけ。 階段の上で、若い人たちが煙草吸ったり缶ジュース飲んだりしてる。 汗をかいた後のようで、首からタオルを下げ、汗を拭いている。
他の劇団員で金のない人や、終電がなくなると、ここで寝泊まりしてたっけ。 私が住んでいたマンションに風呂入りに来てたよな。 きっとこの人たちもいろんなこと夢見て今頑張ってるんだ。
こんな私が今ここに何のためにいるのか、きっとわからないだろうな。 今の自分と昔の自分、心は昔のままなのに、外見は年老いてしまった。 場違いな場所だ。
もし勇気を出して、あの重い扉をノックしていたら。。
そして勇気を出してそのスタジオに足を踏み入れたなら。。
もし勇気を出して。。
駅に向かう道のりで、ずっとそんな思いがぐるぐる回っていた。
そこから駅はすぐ近く、電車の音と共にそんな思いも消えていった。
▼本日のお勉強▼
国語 | 夏期 第15〜18回 漢字 | ◎延べ勉強時間 不明 |
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