母にはこだわり？がある。

母は浦和に住んでいる。

が。。以前住んでいたところ、働いていたところ、
彼女が行ったことのある街の特定のお店との縁がずっと切れないのだ。

美容院は、東京の荏原町商店街じゃないとだめ。
髪の毛をアップするのが大変上手だそうだ。

海苔は私が以前住んでいたところじゃなきゃだめ。
引越した後も遊びに来る度にワザワザ一駅遠回りして買って帰っている。

家具は、川崎市多摩区の家具屋さん。
洋服やカバンまでも、そこを通してローンで買ったりする。
気が合うとすぐ友だちになってしまう母は、
その家具屋さんと一緒に温泉旅行に行ったりする。

いい客だね〜。
お金も使ってくれて、一緒に趣味まで満喫できる、
そんないい人そうそういないはず。

私も、会場に連れていかれ、５万のスーツを２枚、
ポンと買ってもらったりした。
礼服もここだったな。

付き合いか、新しいカタログが入ると見に行って注文するらしく、
この前はヘビ革のサイフももらった。
サイフは毎年変えた方がいいとか。
使ってないけど、大切にしまっている。

この前はどっからもらったのか、
「東京23区推奨ゴミ収集袋」とでっかく書いたゴミ袋もあって、
ねえ、お母さん住んでるの「埼玉」よね〜。
うち「神奈川」よね〜。
「東京23区」って一体。。どっからもらったの？？？
有り難く使っているが、ちと恥ずかしい。

薬局は、新宿歌舞伎町まで行くそうで、
重たいからまとめて買って宅急便で送ってもらうらしい。
＞近くで買えよって感じだが。。

いろんな試供品やらおまけやらも一緒に入れてくれるらしく、
母は遊びにくると、そういうものをたっくさん持ってきてくれる。

シャンプー＆リンスが入った旅行セット，化粧品の試供品，
錠剤の試供品，ビタミン剤の試供品，キャラクターグッズ，
象のさとちゃんゴム人形はごろごろある。

電車賃の方が高いと思うんですけど、どうなんでしょう？？？

その中に、８×４もあって、生まれて初めて使ってみた。
私の汗との相性が悪いのか、
化学反応？を起こしたくらいの臭さだった。

汗かいてもムッとはするけどそんなに臭くない、私だが、
その私が、自分の臭さに気絶寸前！
ちっとも制汗・デオドラントじゃないっつー。

私は生まれてこれまでずっと、友だちやつき合った人の前で汗をかく度に、
「ミルク臭い」と言われてきた。
10代の頃はそれが恥ずかしかった。
女の匂いではなく、赤ちゃん臭い？のだから。
15〜17歳のの時に劇団でミュージカルなるものをやったことがあったんだけど、
なんともその時の私の持ち歌は
「ミルクレディー」だった。

歌詞は、
「♪お母さんの恋人は私のパパじゃない〜♪」
おいおい、これを母親が連れてきた男の前で歌ったりしてたんだぞ。
度胸あるよな。
いいんかよ、こんな歌詞で。。みたいな。
私の生き方がドラマちっくだったのか、私の匂いとくっつけて、
歌になっちゃったというか。
確か、私と男の人との掛け合いで、多分、男の人が
「ミルクレディー　泣かないで」
みたいな事歌ってたような。。
笑ってしまうが、本人たちは真剣だ。
涙さえ流している。

劇団員全員で、走ったりスクワットやったり、
私のタオルはミルク臭いといって誰も使ってくれず、悲しい思いをした。

石鹸の香りのする女に憧れ、タンスに石鹸を入れてたら、
石鹸臭すぎてゲップで口から泡が出そうな程、大変な目にもあった。

それがここ数年前に気付いたんだけど、母にも独特の匂いがあったのだ。
洗剤みたいな、化粧品みたいな匂い。
洗濯した後のお洋服の匂い。
でも、彼女はいつもお化粧してるし、香水の匂いだと思ってた。
母の服はみなその匂いがした。
私の家に泊まり、風呂にも入ったのに、その匂いがする母に、
「ねえ、お母さん、何かつけてるの？」
と聞いて、母も初めて自分の匂いがあることを知ったのだ。

どういう匂い？臭い？と、とてもショックを受けていた。
50年以上経って、初めて自分の匂いに気付くなんて。。
「嫌な匂いじゃないから大丈夫だよ。」
いくらなだめても、くんくん匂いを嗅いで首を傾げている。
だから、大丈夫だって！

体臭って年齢と共に強くなるんだよな。


夫は、私が汗をかいた時の匂いがたまらないという。
甘くて何ともいえない匂いだそうで。。
だからミルク臭いんでしょ！
匂いで私がわかる、と言う。
＞嬉しかない。
その匂いを嗅ぐと安心して眠れるそうだ。
＞へんなの。

どんなに暑くても、抱き合って寝る。
こっちは暑くてたまらない。
気付くと私が腕枕してあげていることもある。
反対だろ、ふつー。
まあ、ほとんどが抱き枕状態にされてる私。
重くて苦しくてうなされて起きる、みたいな。