■世界一簡単な文法書?■
本日、巷でそこそこ売れているらしい『ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本』(向山淳子他 2001 幻冬社)を読んでみた。なにやら、妹が暇つぶしにと買ってきたものらしい。で、早速横取りして読んでみた。
まず、この本はどんな本かということで、「『最初の一冊の本をあなたが選び、読み始める』までのお手伝いをさせていただく本」(p.19)と述べられている。では、具体的にどうお手伝いするのかというと、文法の基礎中の基礎を、図解も交えながら学んでいく。それが、本を読む前の準備運動となるようだ。
その準備運動の内容だが、「英文の構造のほとんどは、『A→B』で説明できるから、それを見つけだせるようになれば、文が読めていける」というもの。[A] は「主役」で、[B] は「脇役」、そんで [→] は「動きのある単語」。つまり、「[A] が [B] に何かしらの作用を及ぼす」というのが、英文の基本構造ってワケだ。これが、著者の言う「基本の基本のルール」というもの。
なお、一番最初に挙げられた例文は、「The cat scratched Ed.」というもので、基本ルールに当てはめると、[The cat] が"主役"の[A]、[scratched] が [→]で、[Ed] が"脇役の"[B] となる。あとの英文も、これに則って解説されていく。鬱陶しい関係代名詞なんかもさりげなぁく説明されていて、これは純粋に「スゲェ」って思った。
ところで、著者は(英語の)本を読ませようとするのか? その理由として、「英語を学ぶためには『読む』しかない。」(p.20)と述べている。読んで読んで読みまくって、「無意識の記憶」というものを蓄積し続けるしかないんだそうだ。その無意識に貯められた知識が「溢れる」ぐらいでないと、まともに「読む」ことも「書く」ことも「話す」こともできないと言う。つまり、ひたすら読むという一番地道な方法が、一番早い道ってコトらしい。
「本を読む」というレベルではなかったが、確かに、筆者も浪人時代に、あれこれ読んで、それなりに点が伸びたし、今も、読み中心でやってるけど、TOEICの点も下がることなく少しずつ伸びてしなぁ。そう思い起こしてみると、「読む」って最善の策やと思える。ただ、ある程度聞けて、それなりに読めても、発信・会話がイマイチやし、読書量としてはまだまだなんやろうな。この本で、オススメ書籍がいくつか紹介されてるし、これを機に、普段読まない小説も読んでみようかと思う今日この頃。不思議とそんな気を起こさせてくれるこの本に感謝。
あと、「世界一簡単」とタイトルにあるけど、何を持って「簡単」と名付けたのだろう。ちなみに、両親に読ませたら、10秒で本を閉じやがった。やはり、興味がなければ、勉強する気になんぞなれないのだろう。筆者は読み終えて、「うぉぉ簡単じゃぁあぁあぁ!」とは思わなかった。というのも、長文読解の章があったり、前置詞の解説もあったりして、それなりに考えてキチンと理解せねばならない「読み応えのある」本だからだ。したがって、「楽して学びたい」って思っちゃうヤツは、この本を手にとってもすぐに挫折する書だと言えよう。
易しい本とは思うが、楽できる本ではないッスよ。
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