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小説を届ける方法
2013年02月19日(火)

小説を書くことは、言葉だけで作るという「枠」の中で進める仕事だ。
白い紙の上の、黒いインクのしみのみ。
書いているとき、ヴィジュアルイメージは一切、頭の中にない。

だが、小説を届けるときは、言葉だけではなかなか手に取ってもらえない。
どのリアル書店、ネット通販でも同じだと思うが、ヴィジュアルが大きな力を持つ。

小説が持っている唯一のヴィジュアルは装丁だ。

これを、できるだけたくさんの人に見ていただきたいし、
紙の質感や、環境の中に置かれた商品、どのように読書を進めるかのイメージをリアルに感じられるヴィジュアルを作れたら、と思っていた。

それで、サイトの、今月のおすすめのコーナーで、
書籍の「雰囲気」をヴィジュアルにできたことがとても嬉しい。

インターネットの書影は、紙を想定して練られたたデザインを、
正面からののっぺりとした画像として扱い、画面に押し出す、というもので、
ちょっとどうなのか、と私は常々思っていた。

それでも、自分でもそれ以外の方法はなかなか思いつかず、
このページでもそうやって紹介してきてしまった。

これからはもっと考えたいと思う。




あと、本というのは、すぐに価値がなくなる商品ではないのに、
昔の本は、売る努力ができなくなる、ということが辛かったのだが、
このように「フェア」をすることはできる。
きっと、いろいろな方法がある。

もっと、新しいやり方を模索していきたい。




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