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『微炭酸ニッキ』  山崎ナオコーラ

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光と男と男友だち
2011年12月17日(土)

光の粒をいつも、面白く受け取るけれど、それはどうしてなのだろう。
DNAが、太陽がなくては生きていられなかった頃のことを、思い出しているのだろうか。
目は光に対していつも、はっとする。
落ちてくる雨が街灯に当たったときだけ存在感を示すところ、
水道の銀色に映る蛍光灯が棒のようにのびるところ、
薄暗いバーで限りなく丸に近い多面的な氷が宝石のようになるところ、
じっと見ていると、
人生なんて幸せに作れなくてもいい、
という気がしてくる。
この世に生命として存在し、
80年程の歳月という贈り物を手にし、
せっかくもらったその時間をどう使うか考えて、
そうだな、幸せじゃなくても、人間関係が滅茶苦茶になっても、
光さえ見れればいい、と思う。
比喩の光ではなくて、本当の光のことだ。

この間、日食をを見たときに心が躍ったのだが、あれもそうなのだろう。

私は人間関係を築くために生まれたわけではない。
光を見るために生まれたのだ。




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