光の粒をいつも、面白く受け取るけれど、それはどうしてなのだろう。 DNAが、太陽がなくては生きていられなかった頃のことを、思い出しているのだろうか。 目は光に対していつも、はっとする。 落ちてくる雨が街灯に当たったときだけ存在感を示すところ、 水道の銀色に映る蛍光灯が棒のようにのびるところ、 薄暗いバーで限りなく丸に近い多面的な氷が宝石のようになるところ、 じっと見ていると、 人生なんて幸せに作れなくてもいい、 という気がしてくる。 この世に生命として存在し、 80年程の歳月という贈り物を手にし、 せっかくもらったその時間をどう使うか考えて、 そうだな、幸せじゃなくても、人間関係が滅茶苦茶になっても、 光さえ見れればいい、と思う。 比喩の光ではなくて、本当の光のことだ。 この間、日食をを見たときに心が躍ったのだが、あれもそうなのだろう。 私は人間関係を築くために生まれたわけではない。 光を見るために生まれたのだ。
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