5月になったときはいつも、「5月になった」と思う。 1月や4月には思わない。 空も樹木も明るい。高揚する。 ここのところ調子が良くて、 朗らかに過ごせている。 悩みはくだらないことばかりだ。 ベランダで本を読んでいる。 私はひとりで過ごすのがちっとも苦痛じゃない。 書きものをしているときでも、ふつふつと楽しさが湧いてくる。 おそらく、寂しがり屋ではないからだろう。 あの、書いているときの楽しさというのは、 もしかしたら、創作の喜びというものではなくて、 レース編みをする喜びのような、 ひとりっきりの世界に沈んで考えごとをする快楽に浸っているだけという、ただそれだけのものなのかもしれない。 誰からも期待されなくても、 ひとりっきりの世界で書いていきたいと思う。
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