Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2018年10月15日(月) |
現代日本音楽の古典-18 ハープの個展: JUN.25,26, 1973 / 小杉武久、篠崎史子 |
小杉武久 2018年10月12日、食道がんのため死去、享年80
寺内久: スペース・フーで小杉武久さんがバール・フィリップス、高橋悠治さんと演奏した時に、美術館の関連企画だけでなく、今日みたいな即興のライヴをもっとやって欲しいとお話したら「僕は即興演奏すると傲慢になってしまうので、あまり即興はやれないのです。」と、おっしゃられた事を時々思い出します。
Taj Mahal Travellers ■
「いや、わかります。そういえば小杉武久さんとやったのが面白かった。小杉さんはどんなジャンルに入るひとかわからないけども、あのひとこそインプロヴィゼーションのひとだね。ライブもやったことあるんだよ。『バンドネオンの豹』にも入っているんだよ、小杉さん。<博愛>だったかな。ああ、小杉さんの名前、こないだ挙げれば良かったなあ。」 (あがた森魚)
あがた森魚インタビューをこっそりこの日記に置いてあるんだ、 ■
そして小杉武久の参加しているCD作品としては、
『現代日本音楽の古典-18 ハープの個展: JUN.25,26, 1973 コロムビア第一スタジオ (COCO 6278, 1990) / 小杉武久(ヴァイオリン)、篠崎史子(ハープ)』
スタンザIi (武満徹, 1971)、リンの詩 (坪能克裕, 1972)、ヘテロダイン (小杉武久,1973)
を挙げないわけにはゆかないだろう、ついこないだフジタさんに聴かせていただいたばかり、タイトルとか売り場は現代音楽分類なのだが、こんな境地にある録音はそうそうあるわけではない、武満作品ではフィーレコも鳴っている、
小杉武久のノート 『ヘテロダインあるいは波乗り――ヘテロダインとはたとえば、可聴波ではないふたつ以上の高周波(ラジオ・ウェーブ)が電子回路の中で相互の周波数が近似の時に干渉を起こし、可聴帯の波としてのビート(唸り)信号を生じるという事柄であり、この第三の波が増幅されればスピーカーを鳴らし、音として響くことになる。今この作品ではこの一般的なヘテロダインとは異なった波を使用し、異なった企てをもつが、・・・超低周波が使用されていて、その電子波(三角波あるいは正弦波)は海のうねりのようなゆっくりとしたサイクルで動き、これが音色変化に関する電子回路をコントロールしている。したがってこの音色回路(フィルター)を通過する楽器などの演奏者は超低周波のうねりにつれて、その音色が連続的に変容を受け、演奏者はそのうねりに乗って自由で即興的な≪波乗り≫を楽しもうということである。』
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