Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
DiaryINDEX|past|will
2018年08月20日(月) |
昼寝もして夜も寝ると、長い夢をみる、 |
ドキドキして手を握る、片側一車線の国道は坂を下って向こうには氷の海が見える、あっちに行ってはいけないと角を左折するとはって登らなければならないような急な登り坂、クルマのアクセルをふかすように走りあがる、
T字路になっていて、右折の標識、左折側には車止めがなされていて居住者の権利によりと掲示板が大きく、ここはたしかまだ地図に表記されていないからあとで運転手控室でマーカーで色を塗っておかなければならないと思う、
右折すると下り坂になっていて街路樹がある大通りになっているはずだ、が、氷の海は大丈夫なのか、手を握った彼女もぼくも身体が軽く飛ばされそうになって坂を落ちてゆく、もう新生児の重さになってしまったのと彼女は言う、
ぼくはアンナ・カヴァンの氷という小説のようには生きないよと哀しくなって言うと、好きだった彼女が氷の川に流れて行ってしまう、
大通りの向かいにツルハドラックがあった、あそこで助けてもらおうと入ると、そこは100円ショップになっていて札幌の妹がまりえちゃんとレジに並んでいる、兄ちゃんいつ札幌に来たの今行くからねと声をかけられる、ちょっとそれどころじゃないんだと店を出る、
十字路になっていて角の質屋が商店街の宝くじ抽選会場のように賑わっている、15年前にドンキで捕まえた万引きグループがチンピラになっていて、コイツ嫌いだわ!と囲まれていちゃもんつけられる、警察を呼ばなければなりませんねと言いつけてケータイを操作するが見たことのない画面でうまくいかない、
それを聞きつけた質屋の店主が慌ただしく店を片付け始める、チンピラどもが店主に怒鳴られて店にひろげた商品やらテーブルやら段ボールを走りながら二階に上げている、こいつら悪いことをしていたんだな、警察に通報はできていないから今のうちに立ち去ろうと十字路を氷の海の反対方向へ、
道ばたにブランドショップの紙袋が落ちている、中をみると値札のついていない高価そうなTシャツやジャケットが数点、一回着たらすぐに新しい服を購入して捨ててしまうような階層の人間がこの界隈にはいるのだ、あとで洗濯してみようと持ち帰る、
いつものコーヒーショップの前を通ると、もう髪切るのはお終いだよたださんと女性が散髪台を押しながら声をかけてくる、紙袋を渡すとじゃああとで待っているからねと微笑む、このひとと所帯を持つのかな、部屋がどこにあるのかわからないよな、これから仕事なんだよ、早くクルマを探さなければと立ち去る、
大きなガレージがふたつあってシャッターが閉まろうとしている、中に入って一周してみるがどれが自分のクルマなのかわからない、ガレージの中の空気が透明なスポンジになってしまってかき分けて泳ぐようにクルマを探す、ふたつあるガレージの仕切りになっているシャッターが次々と閉まる、一番奥のシャッターが50センチ開いているそこを泳いですり抜ける、
すり抜けるとミニバンの助手席を通らざるを得なく、懐かしい小林さんの一家が乗っている、ただくんとここで会えるとは楽しいねと小林さんが後部座席、運転席には田中絹代に似た奥さんが座っていて泳いで進むといいですよどうぞどうぞとクルマから降りて進ませてくれる、
ケータイに留守電が入っていて社長が酔った声で107に入れておくから迎えに来てねと、黒のハイブリットクラウンがこれだな、トランクを開けると自分の荷物がいっぱいになっている、ジスモンチのブラジル盤のロロがかかりはじめる、たくさんのひとに囲まれていて、この曲は素晴らしいんですと言うと、ホソダさんが曲の解説をしはじめる、さすがですねホソダさんとみんなで和む、
トランクがいっぱいなので社長に渡す書類や荷物は仕方ないから後部座席の右側に置く、早く出なければ、ガレージを下って通りを見るとシャーベット状の雪の塊が残っている、氷の海は引いていったみたいだ、クラウンのハンドルを右に切ってやっぱこの乗り心地だよなあと思う、まもなく夜が明けるみたいだ、夜が明けると氷の海の行方は見えるだろうか、社長のお迎えは終えているだろうか、
昼寝もして夜も寝ると、長い夢をみる、
|