Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2014年02月05日(水) アーロン・パークス・トリオ@コットンクラブ(丸の内)




夕暮れの東京駅だぜ、おっかさん。

アーロン・パークス・トリオ@コットンクラブ(丸の内)

Aaron Parks (p), Ben Street (b), Billy Hart (ds)

やはり背骨でピアノを弾いていたアーロン・パークス。手堅い実力者ベン・ストリート。そして、よもや73さい老兵ビリー・ハートの破顔一笑で突き崩すタイム感覚での快活のリズムワークに、このトリオのほとんどが支えられているのであった!ストリートとの沸騰するゾクゾクする感覚が3度訪れた。この3にんのコンビネーションは不思議に得難いものだ。


東京駅そばのTOKIAはJPモルガンと三菱電機の本社が入っているビルなのか、本社入口は改札口のようになってる、そこの3階にコットンクラブはあった。人生初コットンクラブ。主幹悠雅彦先生、稲岡編集長、鉄人神野秀雄という Jazz Tokyo カルテットでの鑑賞。

ECMのサン・チョンがプロデュースした森の中を歩み進むような幻惑的なピアノ・ソロ『Arborescence』は、パークスの資質を見抜いたものであったから、彼によるジャズの定番ピアノ・トリオには期待していなかった。3日間の公演日程をパークスの希望でラスト1日はソロになっていた。

アーロン・パークスのピアノは、背骨からスイングが始まっているから頭はグラングラン揺れているし、指はそれなりにちゃんとジャズピアノできているので、制御困難な揺れが両手指先全体を宙に浮かせてしまうんだな。地に足をつけようと指は走るんだが、屋台骨がモアレ状態で揺れるものだからタッチの強弱や、着地のタイミングが揺れてバラけてしまうのだ。その身体感覚が、新らしいタッチとなっている。がっちりと、とか、深く、とかではない、極端に言えば、はぐらかしの切なさが真実だ。

ベン・ストリートは、そうさなあ、グレナディアの余った席を埋めるに相応しいタイプというか、ピチカートぽい挿入もカッコいいし、ね。

73さい老兵ビリー・ハートはECMでマーク・ターナーらを従えたリーダー作を出していたけれど、リーダー名義の譲り合いや契約事情でそうなったかと推測していた。チガウんだなー、この勇敢なタイム感覚崩しのリーダーシップは、「わはは、おまいら、ついてきな!ふん、ふーん」とオヤジの威厳で音楽を持って行ってしまう。

ほんとにもう。笑いながら興奮したぜ。

もちろん若い主役のパークスに充分なソロを取らせて、スポットライトを浴びさせることも忘れない。

キースジャレットトリオ、ブラドメルドートリオ、フレッドハーシュトリオには並べない水準ではあるんさ、ぶっちゃけ、ね、だけどもビリー・ハートが叩くと、すべてのトリオをハートで聴いてみたい気にさせられる。つくづくビリー・ハートには恐れ入った。

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『伝説を超えるNYジャズ新世代、注目の若き天才ピアニスト
ピアノ・ソロで魅せる繊細で美しく、自由自在な音世界』
‘ブラッド・メルドー以来の衝撃’と絶賛されたジャズ・ピアニスト。2013年10月、遂にヨーロッパ随一の名門レーベル、ECMから最新ソロ作品『Arborescence』をリリースしたばかりのアーロン・パークスがコットンクラブで初のソロ公演を行う。1983年シアトル生まれのアーロンは、14歳時に飛び級でワシントン大学に入学し、数学、コンピューター、音楽を専攻。16歳でマンハッタン音楽院に入学するととともに初リーダー作を録音。人気トランペッターのテレンス・ブランチャードに認められ、彼のバンドで本格的な活動を開始。カート・ローゼンウィンケル、アンブローズ・アキンムシーレイなど、数多くの若手ジャズ・ミュージシャンと共演、弱冠24歳にしてブルーノートからメジャーデビューし一躍時の人となる。アーロン特有の繊細さが際立つ美しい旋律と共に、NYジャズ新世代の唯一無二のステージを是非味わってほしい。
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誰だい?そんな上げ底な絶賛したのは。ブランチャードに認められたのが何か。ブルーノートもピアノ布陣は弱いからなー。でも、ブルーノート流に弾きたくはないパークスの心情もよくわかる。


ビリーハートと再会してハグする悠雅彦先生、さすがだな。
気鋭のジャズ評論家柳樂光隆さんも来られている、さすがだなあ。

コットンクラブは、フレッドハーシュといい、アーロンパークスといい、ニューヨークのシャープなところを招聘している。東京駅からすぐだし、新幹線でライブを観に来る女性もたくさん。そうそう、観客におしゃれな若い女性が多いのにもびっくりだわ。パスタが美味しいのにもびっくりだわ。


Niseko-Rossy Pi-Pikoe |編集CDR寒山拾得交換会musicircus

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