Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2014年01月16日(木) |
橋爪亮督グループ@新宿ピットイン |
橋爪亮督グループ@新宿ピットインへ。
前半ラス前の non title ナンバーでの橋本タイコ・織原ベース・市野ギターの白熱する痙攣グルーヴは凄まじかった。この突出表現をこのグループは今後どう全体化させるのだろうか。
タダマスでmusician of the yearに選んだ橋本のタイコは、今流行りの定ビートミニマルなグルーブの潮流もアウフヘーベンしている万能感で、その先を見据えている。この多彩な疾走技は、世界的に見てもポスト「モチアン=ハーランド視界」なのだ。世界は注視すべしである。
橋爪のサックスは容れ物のスケールになっていて、彼を含む5にんの5つのタイム感覚がレイヤー状態となりながら構成を合わせて決めてゆく。これはもうこのグループのデフォルトになっており、個々の技が発火のリレーをしている様相。耳の感動の高原状態だ。
ピアノの佐藤の耽溺とクールの織り交ぜがことさら効果的に聴こえたライブでもあった。
市野のギターはアブストラクトだったり裏の裏をかくコードの突出だったり現代的ヘンなサウンド系に浮遊したり、と、高度で味わい深い職人芸を聴かせていたが、後半2トラックで「歌うギター少年」然としてローゼンウィンケルやメセニーのように回帰する開放感はやはり涙ものである。(おれはこのステージ上での市野の変化に、彼に何かあったのではないか?と感じさせてた)
開演前に客席で益子博之と陣取り、アイフォンで例のアルゼンチンの音楽サイトの年間ベスト Encuesta 2013 – Músicos Internacionales ■ 2年前にはタダマスのコンテンポラリーを裏打ちするラインナップを提供していたものだが、
こ、今年のこのタダマスが視ているシーンとの一致具合といったらない!
「すごいことになっているね」と、おれのアイフォン4ではその投稿が読めない!なんでや?益子さんのアイフォンを奪ってこのおれが指で「いいね!」を押しているのに、おれのアイフォンは無反応なのは解せない!と不服をわめく。
「それは無理ですよお」徳永伸一さんも来場されていて歓談する。
ECMは聴かれているからだし、メアリーも当然だし、マットミッチェルもジェラルドクリーヴァーもクローディアクインテットもランクインして当然なのさ。タダマス12ではさらに変化球しているというか、ソリッドなセレクトの姿勢を刻み込むつもりなのだけれど、ね。
タダマス12には村井大先生や柳樂青年部長までお越しになるようで、おれの出る幕なぞ無いんだが、そもそもコンポストは益子さんが編集長で発足していてコンテンポラリーのコンであったはずで、コンテンポラリーをポストする意もあったのではないか、つまりコンポストでは王殺し・世代交代・パラダイムシフトがなされなかったのかとも考えたが、益子博之のタダマスのありようがその当然な帰結なのだろうか。
それはともかく、モンダイはおれの耳の所在だな。1982や三善晃や細田さんの編集CDRや小谷美紗子やアンドラーシュシフや岩崎洵奈やヤコブブロや、今日はビョルンスタの旧作seafarer’s songに聴こえるリピダルリスペクトなギター轟音を聴いていたい・・・
エンクエスタENCUESTAのリストを見ながら・・・安田芙充央のCDを聴きたくなったー
いずれにしても世界に冠たるタダマスセレクトであることを実感できたので、今夜は気分がいいのである。
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