Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2013年10月07日(月) |
タダマス11フライヤー、タダマス新章の始まり |
タダマス11フライヤー、タダマス新章の始まりを感じさせる崇高なデザインである。
多田は前回、益子のポピュラー領域に偏在し拡張する現代ジャズの一端を示す前半の選曲群に対して、「ジャズじゃないやい」「轟音はポップスだ」等妄言で応酬する事態となった。多田の耳は昨年の夏以来、菊地雅章TPPトリオの Ensemble Improvisation が新時代を告げたと、かなりの地殻変動に浮遊したままでいる。その不安定さに耐え切れずに20Cジャズ耳にすがったのだ。
ハービー・ハンコックの系譜や、ラップなど黒人音楽の現在潮流、グルーヴするテクネーの広野を微細に虹色感応する銀河系は、多田の耳の窓の外側にあるように思われる。その旅路を行けば、いま持っている Ensemble Improvisation の問題意識は消失してしまうだろう。
おそらく二つの銀河系。
現代ジャズに、いくつもの断層もクレバスも、次元もある。それは眼に描くひとが視ているだけかもしれないが、交し合う言葉の中に目指す明かりは見えている。こごえないように、時を過ごす。
10月7日は、喫茶茶会記でトリスタン・ホンジンガー来日公演初日、新宿ピットインで橋爪亮督グループ新譜『VISIBLE / INVISIBLE』先行発売ライブ、だった。
益子が Their best performance I've ever heard! Their new live recording is also AMAZING! と、投稿している。まず、掛け値無しの本音だ。そして彼は間違わないのだ。
(わたしはこういう、ここぞ!というライブを見逃すのが得意なのだが、そのリスナーとしてのへまなカンジは自分らしいと思っているので、あまりくやしくはない・・・、いや、くやしい!)
現在の橋爪亮督グループこそが、現代ジャズの台風の目だと思う。タイコもギターもサックスもベースもピアノも、それぞれがリーダー作クラスの技能と演奏の踏み越えがあり、なおかつグループとして掛け算になっているコンビネーション。
(こないだトーマス・モーガンに十五夜ライブヴァージョンだけをCDRに焼いて渡したんだが、何の反応もないのは、やはりヤツにはそこの感受性は無いということか。)
橋爪亮督グループは、ブルーノートやインパルスに録音するよりはECMレーベルに日本人初のグループとして登場してしかるべきである。
タダマス、新章、新次元だ。
10のマイナス43乗秒後に宇宙は11次元で出来たというのが最新の宇宙についての見解だ。
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