Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2013年08月14日(水) |
幸来(こーらい)さんのラーメン、子供の頃食べた味が忘れられなくてさー。 |
「幸来(こーらい)さんのラーメン、子供の頃食べた味が忘れられなくてさー。」
砂川の幸来さんの3軒隣に2年ばかり住んでいた。おふくろがそこにパートで出ていて、小学校1年生のおれは帰るなりラーメン屋に顔を出して、おじさんが投げよこしてくれるチャーシューをほおばっていた。
数年前に末期がんの母親と訪れ幸来さんで食べた。母は店主の名前を呼びかけ「ワタシ、憶えてるかい?」と昔話をし始めていた。ラーメンの味は、確かに同じなのかもしれないと思う程度だった。
2月に砂川の叔父さんが「幸来さんのラーメンは出前でとって、ちょっと伸びたくらいのところが一番美味しいんだ、まーやん」と言っていたので、この夏の帰省では検証訪問をしたのだった。
叔父さんは前日まで富良野の吹上温泉に車中泊2日して、夏風邪ひいて鼻水たらたらで熱っぽかったのに8にんで押しかけたのを接待してくれた。
出前を届けに来た幸来さんの店主(若い頃ぼくにチャーシューを投げてくれていた)は日焼けしたハンペンみたいな顔でへんくつジジイになっていて、叔父さんが「昔は運動場まで出前してくれたよなあ!幸来のラーメンは出前してもらって伸びたところが美味しいんだ」と話しかけても、憮然としたまま「ええ、そりゃあいろんなお客さんが居るもんでさ」とだけ応じていた。
ほんとうに、出前してもらったラーメンがあの味だった!
18で東京へ出てきて都内のラーメン屋400軒くらい食べ回ってきたけど、遭遇できなかったこの味。ラードをこってりまぜて、化学調味料をばっさり大さじ2つも突っ込んだような仕様であったのだ。昭和の貧しい空知平野の味なのだった。
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