Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2013年07月20日(土) |
マヌ・カッチェ Craig Taborn Trio『Chants』 intoxicate vol.104(2013年6月20日発行号) |
マヌ・カチェ…、あ、マヌ・カッチェと表記するのか、ECM4作目にしてお名前セイム・タイトル、黒地にオレンジ色文字ジャケ、ECMではオルガンがグルーブしている盤警報のしるし、(たはは、そんなことないか、あるか)
アイヒャーがこのマヌ・カチェを87年ロビー・ロバートソンのトラックで聴いて、つてをたどってスカウトしたという逸話は知りませんでした。さすが佐藤英輔さんの日本盤ライナーだ。
JazzJAPN誌の年間ベスト対談記事の冒頭でこのマヌ・カッチェをベストと挙げていたテキストを目にしたのが春先の品川図書館で、あれ?誰が何と書いていたのだろう?と確かめに翌月行ったら、品川図書館の同誌が飛び飛びに20ページくらい切り取られる被害に遭っているのを発見し同館に報告、平和台図書館で先月確認し佐藤英輔さんによる発言だと認識した。
勇気のある、評論家らしい態度だ。
ぼくはポール・モチアンとエリック・ハーランドの二大巨頭をシーンに視ていたし、エルヴィン以降デジョネット以降ではハーランドが図抜けていると評価していた。そうかー、マヌ・カッチェという存在があったかー。
話題となるジャズドラマーはそれなりにチェックしているけど、躍動重視のラインの個性はハーランドの加速G打法には太刀打ちできないと感じている。
マヌ・カッチェの新しさというのは、また、別枠の拡張を伴っている。取り扱い注意な強度と、ジャズともポピュラーとも落とし込むことの困難な推進力があるものだから、このような盤をECMが(アイヒャーが)問うにあたってモルヴァルやブルンボルグを徴用しての戦略というか苦心というか、には、相当の構想が求められただろう。で、実際に、ECMアイヒャーの音楽にもなっており、ジャズファンを楽しませるには気付かれにくい精神の集中がある。
あ。クレイグ・テイボーンという表記になってるうー 知人が「センシビティは直したほうが」と、ああー、そんな語はないのんか イントキシケイトの800字記事。
ECM新時代を告げる重要盤。 中心にはまたしてもトーマス・モーガンが! ■
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