Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2013年07月05日(金) |
「レイヤー構造によって受信する枠組み」 |
画像は、福島さんのレビューで知り、わたしがそこここで21世紀の名盤だと断定しているジル・オーブリーのカイロ盤(2010)。
この日の日記 ■ で書いたこの盤へのテキスト
から、前へ進めないでいる、記述の射程が。
「レイヤー構造によって受信する枠組み」
「一聴してサウンドの解像度がちがう。位相の重層ぐあいも。」 「どこか現代ジャズとも接続し得る、ケージのmusicircusやユーロペラとも共鳴する、また浅底のアヴァンロックや音響派は退場を迫られるような、土壌を新たにしたJポップの花が咲きそうな、そんな気がしている。」
もう16年経っているのかー、たとえばガスター・デル・ソルの長靴水しぶきジャケ盤(1996)を聴いたときに瞬時に耳が変容してしまったことがあった。音響派という語も流行した。この変容は拡張だったか?
ガスター・デル・ソル盤以来の耳の変容なのであるかなあ・・・
そういえば音響テクノプロジェクトというのかExperimental Audio Research『The Koner Experiment』(1997)にMBVのケヴィン・シールズとAMMのエディー・プレヴォーが参加していて、どきどきして聴いていたよなー。
「耳にタバコを挟んで店内を徘徊し、ステテコ姿で洗濯機に向いつつ発せられたものなのである。何ともカッコイイではないか。」 ■
あの音楽全般から美術まで評論する福島恵一が、文芸別冊「デビッド・ボウイ特集」でボウイのことを「憑依の天才」とは記したが「カッコいい」とは記していない。つまり、わたしはデビッド・ボウイよりもカッコいいということになる。
はたちのキュートなうりざねがおのかりんちゃんが喫煙所で「ふふふ、わたし、たださんのむすめだもん!」とやわらかいほっぺと笑顔で発語した夜勤だ、すかさず「さっきおれはデビッド・ボウイよりもカッコいいと評論されたんだぜ!」とむすめよりも嫁さん見習いへの昇格を言いたかったのだが、どう考えてもすべるネタなのでぐっとこらえた。
「レイヤー構造によって受信する枠組み」
そもそも、レイヤーってなに?と質問していたのはわたしのほうでありました。
ビージーズの「メロディ・フェア」を中学生の頃好きで、よく聴いていたなあ、と、久しぶりに聴いたら、とんでもないサウンドの位相というか、速度というか、懐メロに聴こえない体験だったのは、耳の変容によって再発見した事態なのだ。
福島さんはここ■で、こう書いていた。 「マンフレート・アイヒャーは他のポップ・ミュージックに比べ卓越したミュージシャンシップが当然とされていたジャズの世界に研ぎすまされたリスナーシップを持ち込み、響きを溶け合わせて楽器と楽器の間の空間に風景を描き出し、空間構築をこれに先立つと考えられていた作曲やミュージシャンの組合せへと波及させた。」
耳の変容が起こって、「違うふうに聴こえるようになる」のではなくて、「元のようにも聴こえている」し、なおかつ「そのようにも聴こえる」、という感じ。
3Dパズルが視えるようになったり、浮遊霊が視えるようになったり、このひとはヤバイと感じたり、こいつは万引きするなと確信したり、・・・、と、は、チガウか。あらら。
まとまらないー
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