Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2013年03月25日(月) |
「クナシリ・メナシの戦い」・文楽:近松門左衛門の「曽根崎心中」 |
はとがにわ。
今日はかなちゃん25の誕生日。ポール・モチアン生誕82年。
4月はクラシックコンサートを10公演の予定。
フレッド・ハーシュ@コットン、行かせてもらえるかなあ・・・ ■
よったん次男中央大理工学部がおれのアパートから500メートル。
船戸与一「蝦夷地別件」という小説があるのかー。「クナシリ・メナシの戦い」を世界史レベルの視野で小説化したものらしい。3年前に、初冬の阿寒湖へ行ったときに、おみやげ屋併設のそば屋でニシンそばを食べたのだっけ。彫りの深い眉毛をした男の子が、緊張しながら水を注ぎにやってきてかわいかった。この子はこのアイヌ物産を主に扱うおみやげ屋さんで暮らしている。
★ 「クナシリ・メナシの戦い」と呼ばれるアイヌ民族の蜂起があったのは1789年、フランス革命と同年である。サケなど道東の豊かな資源を目当てに乗り込んできた和人が過酷な条件の労働を課したり、女性に性的な暴行を振るったりすることに反発した国後島や標津などのアイヌ民族が、和人71人を殺害した。 これに対し松前藩は260人の鎮圧隊を送り、最後には蜂起を首謀したアイヌ民族の37人を処刑する。斬首して胴体は付近に埋め、首は塩漬けにしたうえ松前でさらしたという。その処刑があったのがノッカマップなのである。
★ 近松門左衛門の「曽根崎心中」の道行きと心中の場面にスポットを当て、最新の機器で人形の動きを撮影、多彩な仕掛けで見せた。主人公のお初を人間国宝の吉田蓑助さん、徳兵衛を一番弟子の桐竹勘十郎さんが遣っている。 まず専用の眼鏡をかけて3Dの映像。お初と徳兵衛が画面から飛び出してくる。画像が鮮明だ。2つ目は心中までの場面場面をさまざまな角度で精密にとらえた映像。4倍速のスローな映像なのに人形の動きに緩みがない。 哀切な物語だとばかり思っていた。だが、お初の表情からは隠しきれない喜びが浮かぶ。苦悩と逡巡の色が濃かった徳兵衛も死を覚悟してからは次第に高揚し、やはり喜びの表情が表れる。そして最期の場面。徳兵衛に刀で胸を刺し貫かれる瞬間を真上から撮った。お初は静謐な愉楽の表情に見えた。10分ほどの映像を4回見て、そのたびに泣けた。さすがは蓑助・勘十郎、さすがは近松。
★=2つのテキストは日本経済新聞3月23日夕刊からですー。
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