Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2013年03月14日(木) |
"Quercus" (ECM 2276) FBコピペ |
ビル・エヴァンスとジョン・コルトレーン
多田 雅範 おまえさーあそこであのコードはないんじゃね? 山下 泰司 またかよ…… 星野 秋男 この写真、エヴァンスというよりもルネ・トーマにそっくりね。 多田 雅範 ルネ・トーマ?・・・このギタリストですかー http://catfishrecords.jugem.cc/?eid=4172
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原田 正夫 英国のトラッド・フォーク歌手のジューン・テイバー (June Tabor) がECMに吹き込んだというのは、わたしにとって大事件です。 テイバーは70年代にスティーライ・スパン (Steeleye Span) のマディ・プライア (Maddy Prior) と組んで Silly Sisters としてアルバムを出したり、90年代はオイスター・バンドとアルバムを出して驚かせたり…… ブリティッシュ・フォーク・ファンにはお馴染みのジューン・テイバーも65歳とのこと。もはや重鎮ですね。
エンヤ (ジャズ・レーベルじゃなくて歌手のほう) を皮切りにアイルランドを中心としたケルト・ミュージックが世界的に注目を集めた90〜00年代、ECMはケルティック&イングリッシュ・トラッドの歌謡や演奏には静観の構えをみせていた。 スコッテッシュであるロビン・ウィリアムソン (Robin Williamson: Incredible String Bandの設立メンバー) のアルバムを出したり、スウェーデンのトラッド・グループ「フリフォート (Frifot)」のアルバムを出しても、そして古謡や古楽の世界に踏み込みながらも、トラッドの「扱い」には慎重だったような気がする。 それだけに、ジューン・テイバーがECMに登場するというのは驚きです。 ECMのアナウンスを読むと単なるトラッドの「伝承」アルバムではなさそうで (そりゃそうですよね)、それは共演者の顔ぶれを見てもわかります。このトリオですでに7年活動してきているとのこと!
HMVで Craig Taborn のECM新譜と一緒に予約しちゃったので届くのは4月に入ってからになりそう。 早く聴きた〜い。今、一番聴きたい新譜です。
原田 正夫
"Quercus" (ECM 2276) June Tabor (voice), Huw Warren (piano), Iain Ballamy (saxophones)
ECMのWEBサイトでのこの新譜の紹介を読みながら思い出してしまったのが、ペンタングル (Pentangle) の 1st.アルバム "The Pentangle" (Transatlantic, 1968) がリリースされた時に掲載された英国メロディ・メーカー誌の同アルバムのレヴューの事。 この時、メロディ・メーカーの編集長は、フォーク専門のレヴュアーとジャズ専門のレヴュアーの二人を立てたという話。
"Quercus" がリリースされた後、もし日本でこのCDが紹介されることになった時、ちゃんとレヴューを書ける人っているのかしらと、ふと思ったのでした。
それにしても、Craig Taborn のアルバムと June Tabor が参加するアルバムが新譜として並ぶECMって面白いレーベルだなぁとつくづく思います。
Yoshinori Shirao おお、ジューンのアルバムのピアノはウォーレンなんですね。彼、エルメートのカヴァー集出してて、なかなか面白い人だなあと思っていたんです。 多分、ECMの全てがドンピシャっていう人は一人もいないんでしょうけれど、きっとアイヒャーはこのレーベルの音楽を凄く柔軟な幅広い意味での「現代音楽」と捉えているんじゃないかなと個人的には考えています。
原田 正夫 ヒュー・ウォーレンは不勉強で聴いたことがなかったのですが、調べたらテイバーの00年代のアルバムにすでに参加してました。中古CDを今、注文したところです。 わたしもECM全作品ドンピシャではありませんが、おっしゃるとおりだと思います。 あっ。 オラシオさん、このアルバムのレヴュー、依頼があったらぜひ書いて下さい!
Yoshinori Shirao ははは、依頼も来ないし、第一ペンタングルもブリティッシュトラッドもバラミーもそんなに聴いてないので無理ですよ〜(笑)。まあ、来たら必死でやりますけれどね、プロですから。
星野 秋男 ペンタングルとECMでは随分イメージが違うような気がするのですが…
原田 正夫 ペンタングルの特に1st.アルバムは、スキッフル、ブルース、モダン・ジャズのキャリアがあるテリー・コックス (ds) とダニー・トンプソン (b) と、ブルースからトラッド・フォーク、バロックまで弾きこなす革新的なアコースティック・ギターの二人レンボーンとヤンシュ、そしてロンドンのフォーク・シーンで頭角を現していた女性フォーク・シンガーのジャッキー・マクシーが、トラッド・フォークやブルースにジャズの即興演奏を持ち込んだ、当時 (いや未だにかもしれません)、あまりに実験的/革新的な、それでいて鑑賞音楽としてもちゃんと成立している奇跡の1枚です。
メロディ・メーカー誌のレヴュー欄で本盤どう取り扱うか困ったのもうなずけます。このアルバムを20代でリアルタイムで聴いていましたが、スゴさがわかったのは、自分がジャズに親しむようになってからでした。
ジャンルの枠組みを外しながら、即興演奏にも踏み込みつつ、古典・伝承音楽の世界から新しい響きを作り出してしまう……といった点で充分にECMと繋がるものだと思っています。もっともペンタングルも2nd.以降は革新性が薄れていき、ご指摘のようにECMのイメージとはかけ離れていきますね
星野 秋男 そうですね、ジャンルの枠を超えた新しい響きといった点では、ペンタングルの1st.アルバムとECMでは共通するものがあったと言えますね。私がイメージが違うと言ったのは、ペンタングルのサウンドには強烈なブリティッシュ臭、くすんだ哀愁感があり、そこがECMとは違った感じがあるという意味です。
ペンタングルのファースト
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