Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2012年12月20日(木) |
都響 2012.12.20 |
都響のコンサートって、おもしろいんだよ、「演奏が終わっても、音楽を楽しんでおられるお客様のご迷惑にならないよう、指揮者がタクトを降ろしてから拍手をされますよう、お願い申し上げます」と、開演前にあれだけ何度もアナウンスしてくれて、さ、おれ、このアナウンスに大賛成、よくぞ言ってくれました、なんだけど、ベルリオーズのエンディングでは、最後の音符が大音量で鳴り響いて、指揮棒が上がって即座に同時に5ヶ所以上からブラボー親父たちが怒声を上げてた。
呆れて笑いそうになった。なんなの?
楽章を終えるごとに、会場のあちらこちらから「ごほ、ごほ」「がは、がは」「ぐふう」「ごわっほう!」、。咳払いの世界選手権でもやってんのかい!
サントリーホールや紀尾井ホールでのコンサートでは、こんなことはない。
でも、今日の★、すばらしい指揮ぶりだった。マルティヌーが、ほんとうに素晴らしかった。この1曲で、おしまいでも、元が取れておつりがくる。オケが5つの層になって、響きが増幅したり、相互侵食したり、風景を変えてゆく様子を、じつに誠実なあや取りで観客に翻訳してみせた。この様相は、交響楽団の実力の証明であり、★の指揮は賞賛に値する。若い指揮者であることも、感じさせた。スコアに誠実なあまりに、マルティヌーを崇め奉ってしまっていたのである。伝えなきゃいけない、という使命感まで、わたしは感じた。これだけ手の内にしているのだから、音楽を曲線の連続にしてしまえばいいのに、どのステップも踏み逃さないように気を遣う余りに若いスポーツ選手の一途さになってしまうのだ。もったいないなあ。
それにしても、マルティヌー、やっぱり面白いじゃないか、いつだかどこぞのオケでマルティヌーのオケものを聴いて、これはちょっと侮れない作曲家だぞと思った記憶があった。ベルリオーズより、たぶん面白い。
やっぱりベルリオーズは、古いタイプのハードロックみたいなもんだった。
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