Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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市内を貫通する国道を南へ向かって500メートル、消防署の向かいを左折すると函館本線の踏み切り。
2さいの頃から断片的な記憶がある。
踏み切りで母と立っている。角が尖ったオレンジ色のメガネをかけてまっすぐと前を見ていた。ぼくは手をつないで、見上げていた。母が泣いているのがわかった。なかなか踏み切りはあかなかった。
メガネをかけていたのは、ぼくを産んだあと十分な休息の時間を取らずに、洪水で浸水被害に遭った父親の実家の片付けに駆り出されて、目が弱くなっていた時期だから、ぼくはまだ歩き始めた2さい過ぎなのだ。
朝気が付くと母は家の中におらず、ぼくは母を追って玄関を出て家の前の道路を越えて裸足で歩く。
崖の下から出ているわき水で洗濯をしている母を見つけると、そのわき水をさわらせろと言わんばかりにぐずるのだ。
わき水を独占したかったのだろう。
腹立たしい感じで「ほら!」とわき水の中へオムツ姿で投げられた。
キョロキョロと音をたててこんこんとわき出る水をばちばちたたいた。
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