Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
DiaryINDEX|past|will
2012年06月06日(水) |
重要記事「勢いあまって踏み外す−多田雅範の耳の旅路がとらえた風景」 |
練馬区立田柄第二小学校午後17時03分。
福島恵一さんがブログ「耳の枠はずし」で、 な、なんと、このタガララジオ27 ■=多田雅範をレビューするという暴挙に打って出た。
「勢いあまって踏み外す−多田雅範の耳の旅路がとらえた風景−Stepping Out by TOO Much Full Force−Soundscapes from Masanori TADA's Listening Travelogue−」 ■
こないだの橋爪亮督グループCDレビューでの図式を説明しよう。 MF益子博之の渾身のフリーキックがコンポスト8人の防御に対してボールがセンターでこともあろうに観客席のおねえちゃんに見惚れて試合放棄しているFW多田の後頭部に当たり相手方のMF林の前に落ちFW多田はMF林の前でさらに転倒しMF林の蹴ったボールがなんとFW多田の顔面を直撃までしてのこぼれ球、MF福島が取りそこから相手方8人抜きでGOOOOOL!である。
それをもってFW多田が名アシストをしたという。月光茶房店主原田正夫監督はシンクロニシティ!とまで記述した■。
「タガララジオは耳のパリ・ダカール・ラリーである」夜中のパソコンに向かって大笑いしてしまった。Jazz Tokyoのわたしのコラム「タガララジオ」について、稲岡編集長や丘山副編集長は暖かい目で匙を投げてくださっているのだが、語られるのは初めての経験、「うれしはずかし朝帰り」(Dreams Come True)な高揚感でありまする。
しかし、タガララジオは批評なのであろうか。それはさておき、福島さんは「批評とは跳躍である」と書いている。「ひとは同じ音を聴きながらじつに異なった聴取をしている」ということも以前書いていた。そこからカフェの効用、公共とまで進む。タダマス4のレビュー■「これが〈批評〉の出発点でなくて何だというのか」という厳しいフレーズがよぎる。「外部へと開き、他の視点との闘争にさらそうとする」「確固たる信念」があるのだろうか、触発のサッカーはしたい!ということは、あるということなのかな。サッカーとは跳躍の連鎖、触発の連鎖なのだった。
若い時分は、知らないということ、聴いたことがないということ、良さがわからないということ、それはチガウと言われることに対しての恐怖があったなー。しみじみ。今なんかどんだけ大振りな間違いをしてしまえるのか楽しいくらいだし。いや間違いなんてなくてそれは「気付く」歓びの大切な種子くらいになっている。
タガララジオの構想は、日課にしている編集CDR作りと生来の番号付け趣向と好きな曲を何度でもしつこく聴く(アルバム全体をなかなか聴けない性分)ジュークボックス指向を前進させ、シーンの新譜を買い漁れない経済的要因と専門的な記述と深掘りができない怠惰的要因を隠蔽するという、さらに好きな曲だけ書くという、それで、1番をジョーミークにして2番をアームジークに決定するまで構想6ヶ月、この2曲という初期設定がビックバンであり、あとはこれならラジオで聴いた曲、ジャズ喫茶で耳にした曲、図書館でジャケ借りした素性の知らぬ曲まで入れられる、そもそもゆめぴりか5kgと同額のCDなんてそうそう買えない境遇にもなっている、
思い起こせば夢中で音楽聴きはじめた中学生、FMファン、週刊FM、FMレコパルと格安カセットを大量に買い、番組表に聴きたい曲をラインマーカーで塗っていったら、番組表のほとんどをラインマーカーで塗るはめになり、塗る意味なくね?聴く時間をどうする、やたら学校さぼった、このカセットのこの曲いらない、4分22秒でちょうど無駄なく収まりそうなほかの曲を番組表から探さねばならない、タイトルとアーティストの名前の響きだけでアタリをつける、ロックと民謡とクラシックが入り乱れたカセット、メモったり切り取った曲目が風で飛んだり母親に捨てられたりそのうち曲目なんてどうでもよくなって、ガチャガチャとエアチェックしてるんだかテープの入れ替え作業の熟練を目指しているのか、
クロスオーバー・イレブンのテーマ曲、曲と曲の合間を狙いすまして録音ボタン、なかなか始まらなかったり、イントロを録音しそこねたり。ああ、懐かしいなあ。
・・・と、今日はここまで。
そうかー、おいらは疾走し、哀しみが漂うのかー、まるで小林秀雄が言った疾走する悲しみ、モーツアルトではないか!こんど子供たちに会ったら言おう、お父ちゃんはほんとはモーツアルトなんだよ。
地下にある石造りのスタジオのエピソードはタガララジオ12のtrack 075 ■
ノルウェー大使館のバスターキートンはこちら「ECM偏愛ベスト11」記事 ■
この記事についての福島さんのレビュー「ECM−出会いの交点」 ■
|