Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2012年04月26日(木) |
クラリネットの匿名的な響きとピアノの〈短詩型文学〉−「タダマス5」レヴュー 耳の枠はずし 福島恵一 |
母方の祖父が大阪から余市、サハリン、小樽、上砂川、砂川と炭鉱労働者や病院のボイラー技師(釜じい)などをしながら、どのような音に世界を見ていたのか、を、辿る旅なんてのはどうだ。子が4にん、孫が13にん、ひ孫が25にん(2012年4月現在)のゴッドファーザーだ。
わたしと福島さんのやりとりを小学生横綱と全盛期の貴乃花の取組みと揶揄しないでほしい、そっと見守ってほしい。いずれ武蔵丸になって伝説の優勝決定戦をするのだ。
第5回益子博之=多田雅範音盤茶話会(タダマス5)のレビューをいただいた。
クラリネットの匿名的な響きとピアノの〈短詩型文学〉−「タダマス5」レヴュー 耳の枠はずし 福島恵一 ■
菊地雅章トリオの演奏を和歌詠唱と読むとは・・・。
そうだよなあ、いくらおいらは瞬間瞬間の、と言ったところで、たとえばエヴァン・パーカー=バリー・ガイ=ポール・リットン欧州最強トリオとの差異を言い及べていないわけだし、キクチはおれはおれのランゲージを探求しているだけだ、と、言うわけだし、あっちがインプロでこっちがまったくもってジャズに聴こえるのを、ロジックが存在すると強弁していたんだが、そ、そうか、理解の次元をひとつ上げると、和歌の詠唱、綴る筆の筆跡という事態は、ガッテン、ガッテンという歓びに尽きる。
ティム・バーン『スネイク・オイル』に、クラリネットの復権および匿名性を示唆した益子のコメントに対して、お、おれは、「ぜんぜんECMに聴こえる!70年代から聴いてきたすみずみまでロジックの合理性に貫かれたECMに聴こえる」と、ティム・バーンの態度の違いを言いつけたに過ぎなかった、益子さんの話を拾えてないし・・・。ああ、思えば、ECMの演奏というのはどこか匿名性に向かっているものに満ちていたのだし・・・。
ぐが!ECMリスナーのエンペラー堀内宏公がECMの鍵として「匿名性」を、サイトの創設時に記しているではないかかかかかっ!
「ECMの鍵 ── ECMレーベルの音楽の特質と魅力とは」 ■
ロヴァーノ、ターナーの輪郭をはっきりさせない、おのれの響きに土俵割れをしながらルロロロと進む有り様は、匿名性という補助線との親和さえ感じてしまうとすれば、ターナーFLY TRIOのECM新作の鳴りようも、つ、つながるのではないだろうか・・・。
写真は由比ガ浜から伊豆半島をバックに出漁してゆく漁船団を眺める夕暮れ。
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