Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
DiaryINDEX|past|will
2011年03月18日(金) |
19日・20日 タガララジオ18(一部掲載) |
19日は白楽ビッチェズブリューへ坂田明×古谷暢康(19:00〜) 20日は四谷三丁目喫茶茶会記へ橋爪亮督トリオ(15:00〜)
震災の影響でJazz Tokyo の更新が止まっている。今年最初のタガララジオ18を一刻もはやく、この日記にイントロを下記に。
こう、こう、こう。
ジャズは生きている。帝王ポール・モチアンと若き王エリック・ハーランドが叩きあうニュー・ヨークはヴィレッジ・ヴァンガードの2011年だ。これは見事だ。マーク・ターナー、クリス・ポッター、ダヴィッド・サンチェス、ビル・マケンリーというサックス奏者が週替わりで。モチアンは3週連続で主役で叩いている。3月のプーさんとのクインテットではベースが2台!だぜ。・・・今すぐニューヨークに飛んでゆきたいが有休も飛行機代もなかとよ・・・。
February 01 - February 06 AARON GOLDBERG QUARTET Mark Turner-sax, Reuben Rogers-b, Eric Harland-d
February 08 - February 13 CHRIS POTTER QUARTET David Virelles-p, Larry Grenadier-b, Eric Harland-d
February 15 - February 20 DAVID SANCHEZ QUARTET Lage Lund-gtr, Matt Brewer-b, E.J. Strickland-d
February 22 - February 27 PAUL MOTIAN QUINTET Russ Lossing-p, Bill McHenry-tsax Oscar Noriega-clr, asax, Eivind Opsvik-b
March 01 - March 06ETHAN IVERSON, LARRY GRENADIER, PAUL MOTIAN
March 08 - March 13 PAUL MOTIAN TRIO 2000+2 Loren Stillman-sax, Masabumi Kikuchi-p, Thomas Morgan-b, Ben Street-b
それで、日本において世界に通用する現代ジャズというのは、市野元彦と橋爪亮督のふたりが交わしているジャズのことだろう。(ほかには杉本智和と本田珠也もかなり有望だと思っていて、ただここ数年彼らを聴いていないので・・・)
市野元彦と橋爪亮督。
市野元彦トリオ(市野元彦g、渋谷毅p、外山明ds)は唯一無比な感覚の歓びがあるし、橋爪亮督+市野元彦のグループも・・・。
前回タガララジオ17で100曲目に掲げた「十五夜」は、この二人の資質への焦点さえ消失したなんとも言えないトラック14分38秒・・・、これ、橋爪亮督グループのライブ録音CDR、そうだなあ、これはマンフレート・アイヒャーに聴かせてやるのもいいけど、たぶんわかんないと思う、ただおいらはこの世界を聴きたいという強烈な欲望だけ、が、あって・・・。そもそもこの音源は市販もネット試聴もされてない・・・。彼らもおそらく再演できないマジックに突入している。狙って出来上がるものではないから素晴らしい、だし。いや、みなさんに聴いていただいて、これはこうこうですよ、これに似た感覚の演奏はこれですよ、とか、謎の手がかりを得たい。
益子博之(音楽批評)さんが手がける橋爪亮督のライブ・シリーズ「tactle sounds 2011」が、3月20日に四谷三丁目の喫茶茶会記であります。昨年「福島恵一始動!」、今年は「益子博之始動!」のようにファンは感じるところ。第一回は橋爪亮督、市野元彦、吉野弘志という、まさに期待のライブだ。
フライヤー表1 http://www.enpitu.ne.jp/usr/bin/day?id=7590&pg=20110217 フライヤー表2 http://www.enpitu.ne.jp/usr/bin/day?id=7590&pg=20110218
橋爪亮督について、わたしは彼が平井庸一グループに長く在籍していたことを重要視していて、トリスターノを探求する平井のグループで文字どおり化けた橋爪のサックスのインプロヴァイズ、は、マーク・ターナーがリー・コニッツと共演した際にコニッツに「ぼくのどの曲ができるかい?」と問われて「あなたの曲をすべて吹けます」と即答したターナーというエピソードと響き合うんだな。ターナーと橋爪のサックスは明確に違う個性であるけれども、同じ新しい種族である。
インプロヴァイズする橋爪の良さ、は、1月8日、国立のノー・トランクスでのライブ(http://www.enpitu.ne.jp/usr/bin/day?id=7590&pg=20110108)で見事に感じることができた。アルトの宮野裕司との同郷揃い踏みは実に良かった。・・・それは、クール・ジャズの系譜である。池長一美のタイコはクリステンセンばりのアタックさえ繰り出せる世界レベルのもの。
この橋爪、宮野の2管は、増田ひろみを加えて3管もアリだと思うし、ドラムレスでさらなる苛酷な浮遊を試行するのもアリだと思う。・・・平井庸一に「ほら、一度平井グループで橋爪さんのかわりに宮野さんだったライブがあったよね、日本のコニッツと言ったら宮野さんに失礼かな、宮野さんに感動していたんだけどさー、この橋爪と宮野の2管でリズム隊が吉野、池長、という実に理想的な組み合わせ、さすがノー・トランクス店主の村上寛さんだよー」と電話したら、「最初に村上さんに言ったのはぼくなんだけど・・・」と言う。この橋爪・宮野・吉野・池長カルテットは4月26日にノー・トランクスでまた、演る。
|