Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2010年10月04日(月) |
アグネス・イン・ワンダーランド(タガララジオtrack092に加筆部分) |
1979年4月に発売されたアグネス・チャンの『不思議の国のアグネス』は、ゴダイゴとのコラボレーションで、2曲以外英語歌詞での作品。
「ガンダーラ」、「Monkey Magic」、「銀河鉄道999」の3曲で通算9週間2位という人気絶頂期のタケカワユキヒデが、さらにアイドルの作品を、しかも本人が書いているとおり「まるで新しいサージェントペパーズを作るような感覚で一曲一曲仕上げていた」に相応しい創造の万華鏡状態だ。今回発掘されたタケカワ本人が歌うデモ・ヴァージョンは、まさにひとりりポールマッカートニー状態にあることに感動する。
それをアグネスが歌う。英語のアグネス。ううう、23さい独身のアグネスが歌う。
一緒に歌う!青梅街道深夜の独りドライブで歌う!ジャージ姿ヒゲヅラのおやじがやかましい音楽を鳴らしながら深夜の山道を、くちを大きくあけて嬉しそうに血走った目で運転して暴走しておりてくる!楽しい!楽しすぎる・・・
でもな。時の流れだ。ゴダイゴの絶頂期でさえ、2010年には最前線ではないという苛酷な現実もある。でも、キーボードの音とか、アレンジとか、文体は古くても表現は永遠に瑞々しいものがある。エバーグリーンとはこのことだ。これを充分に鳴らせるシステムとリスニングルームがほしい。
フリー・コラージュっぽい導入効果が楽しい「Woops, What's This?」、ジャバウォキの呪文と浮遊する旋律が楽しい「Talkin' Jabberwocky」、そして曲のつなぎの見事さ、夜空に漂う異空間となるタケカワユキヒデ屈指のバラード「Who Am I?」。この3曲のスキの無い輝きを聴け。天才タケカワユキヒデ自身が、このあと曲が書けなくなってしまった感があると、実際ゴダイゴは失速するわけだが、述懐するのもうなずけるほどの、ほんとうに破滅的創造に突き進んでいる、のだ。
ううう。おいらは、高校3年の受験生なのにビートルズのフィルム・コンサートに出かけては寒空の人ごみの中、重たいラジカセを持って(!)ゴダイゴの「銀河鉄道999」をただただ音量を上げていたのだった・・・。
・・・ああ、カミングアウトしてしまった!なんで、そんなアホなことをしていたのだろう。「世の中にはこんなステキな音楽があるんだぞ!おら!みなのもの!聴け!」というのが当時のわたしの真意だ。・・・アホだ。アホすぎる。
でも、そのアホさ加減は、49さい(始終臭い)になっても、おんなじなのだ。青梅街道沿いの住民のみなさんに申し訳けがたたねえ。ああ、はやくじごくにおとしてくれ!耳だけ残してからだじゅうに念仏を書いたろか!
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