Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2009年01月13日(火) チベット騒乱




現代思想の7月臨時増刊「総特集 チベット騒乱 中国の衝撃」のジジェクと山口泉。

まず山口泉の記述がえぐい。

十数世紀に及んで宗教農奴制の支配が続き、平均寿命は三〇台の半ば、識字率は一〇パーセントにも満たず、十数世紀の余にわたって原始仏教神秘主義の迷妄に閉ざされ、支配層の僧侶や領主らは農奴を牛馬以下に扱い、年貢を滞納すれば踵に穿った穴に鎖を通して骨が腐るまで繋ぎ、逃亡を企てれば両眼を抉り、四肢の腱を切断し、上下一切の歯を抜き、死しては遺骸を野犬に喰らわせ鳥どもに啄ばませ、人を、犬の黝(あおぐろ)い大腸にたんまり詰まった糞便、空から垂らされる水っぽい糞の滴とし、喰い散らかされた骨を乾かしては妙なる音色を奏でる法器を製し、それを麗麗しく、かつ陰陰滅滅と吹奏し、・・・

ヒーリングミュージックみたいにチベットをロマンチックな魂の楽園だと思ってはならないのだ。チベットに向かったティベッツ、などと、ECMを聴いていてはならないのだ。

ジジェクのほうは

アジアの鞭打ち刑とヨーロッパの蓄積市場の組み合わせが、リベラルな資本主義よりも、経済的に言って遥かに効率的であることを証しているとすればどうだろう?われわれが理解している限りでの民主制が、もはや経済的発展の条件にして動因であることをやめ、その妨げになっているとすれば?

べつに現代日本社会でも総務部倉庫管理課と営業推進企画課の組み合わせ(倉庫課への異動は会社から要らないと言われていることを意する)とかで、一日200円のこずかいだけで牛馬の如く働かされる中年とか。


Niseko-Rossy Pi-Pikoe |編集CDR寒山拾得交換会musicircus

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