Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2008年08月16日(土) |
源氏物語千年紀記念古典芸能鑑賞会 |
どとうの19連続夜勤というトンネルをくぐり。 新大久保駅の星一徹のすがたに勇気をもらって夏をのりきるのだ! ■<ここでCMを見るたい!
雄山閣■という出版社が企画した「源氏物語千年紀記念古典芸能鑑賞会■」に出かけた。
はじめての国立能楽堂(千駄ヶ谷)。 たまごが焼けそうになっている歩道を千駄ヶ谷駅から歩く途中のコンビニでこれは黒酢のドリンクとかを飲まなければ歩けんわな、 左手には水上勉「はなれ瞽女おりん」の文庫本、これは目黒区八雲図書館から借りているもの、 この新潮文庫の表紙、斉藤真一の絵がよい。 この絵の世界にうっとりとしながらコンビニで涼をとった。
千駄ヶ谷の駅はいつ以来のことか。 20数年前に駅貼りポスターを剥がして持ってきたことがあったその場所の掲示板は剥がすことのできない形態となっていた。 そのポスターは横尾忠則の版画で、群馬の家の玄関にポスターケースに入れて飾ってある。
古典芸能鑑賞会。 馬場あき子さんが最初に講演をし、山田流箏曲と地歌箏曲があり、ついで喜多流能「半蔀(はじとみ)」■が演じられた。
地歌箏曲の米川文子(筝)と富田清邦(三弦)が傑出して素晴らしいものだった。 ことに三弦の富田清邦には、晩年の川端民生(ジャズベーシスト)のその向こう側を見たような感慨を受けた。
能の「半蔀」には生け花が登場する、これが立花立調というこの能の見所のひとつではあるのだけど、この生け花の完成度を伴った世界観がうまく調和していないところがあった。いや、まったく目的を見失っているようであり、そのようなことをこれまた初めて能を観るおいらに断ぜられるのもどうかとも思われよう。しかしながら、ふと思いつくのは十数年前にメアリージェーンに通っていた日々に福島さんが「ただくん、これわかるか?」と浮世絵や春画や陶器を見せられていた何気ない刹那に何事かを感じとってはいたような気はする。
群馬のブックマンズアカデミーで河出書房新社の池澤夏樹個人編集の世界文学全集「暗夜/戦争の悲しみ」を手にする。 前日に文京区小石川図書館で文芸誌を立ち読みしてその存在を知ったばかり、の、21世紀のこの時代に刊行される世界文学全集、という、 アナクロ?で、控え目な編集、どういったものだろう、手にとった瞬間から手放せない感触がある。 とりあえず、ばらけて残酷なばかりのこの世界のありように目が離せないのではないか、そんな気持ちがしている。
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