Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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ウルトラマンやレッドキングやメフィラス星人などの怪獣をデザインした美術家である成田亨の展覧会が足利であった。 怪獣たちのデザインの原画は、まさに神々の痕跡のようなものを感じさせる。
円谷プロを飛び出してからの成田亨の人生。 37・8さいに果たしたウルトラマンに関する仕事、が、生涯にわたって彼の創造を枠に嵌めていっているのがわかった。一瞬だけ輝いて、その栄光、自己規定から逃れないで余生を過ごしていた。その表現に幸福なもの、創造的な何ものかはまったく感じられない。痛々しい生きざまをみてしまった。
カミソリのように切れる発言もある。
「新しいデザインは必ず単純な形をしている。人間は考えることができなくなると、ものを複雑にして堕落してゆく」(模型誌「B-CLUB」1986年11月号)
ウルトラマンを成功に導いたのは成田亨のデザインだけではなかった。 当時の現代音楽と直結した怪獣の咆える大音量を検証した展覧会も期待したい。
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