Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2007年12月04日(火) |
藤枝守著『響きの考古学 音律の世界史からの冒険』平凡社ライブラリー |
今年の2月9日に増補決定版として 藤枝守著『響きの考古学 音律の世界史からの冒険』平凡社ライブラリーが刊行された。 この音楽ファンにとっての重要書籍を紹介せずに今年は終われない。
ハリー・パーチやルー・ハリソン(ジャレットが委嘱してピアノ協奏曲を作ったことでECMファンには有名)などの増補がなされている。
注のジェームス・テニー(1934〜2006)に 「パーチやヴァレーズ、ナンカロウとも交流があった」とあり、テニーの作品はハットロジーで何枚か聴いていただけだったので、聴きなおさなければ。
古代ギリシャから中国の音階やアラブ音楽まで俯瞰しながら現代までを扱ったもので、書物だから音が聴こえないにしても、イギリス・アイルランド地方に残るケルト人の純正三度が大陸に甘美な快楽をもたらして中世・ルネサンスの変化を起動させているとか、刺激的なことこの上ない。
微分音ジャズのジョー・マネリを契機に藤枝守さんの存在を岡島さんから教わったのですが、ジョー・マネリの愛好家が一向に増えていないぼくのまわりがさびしい。とってもさびしい。おやすみなさい。
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