Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
DiaryINDEXpastwill


2007年03月09日(金) ジャレットのラスカラ、コルトレーンのオラトゥンジ



疲労困憊、披露宴乾杯。

ラ・スカラのすごさって、スカラ座のホールに充満する過去からのイタリアの音楽の精霊といったものの総体を“イタリア”と名付けるとして、その“イタリア”にジャレットはやられてしまってて、にっちもさっちもゆくのかゆかないのか、煮沸されていることでドラマができあがってしまっているという明白なレアさ、もちろんピアノテクぎりぎりって感じもあるのですが、である。で、おそらくアイヒャーはCD化しようと思わなかったと思う(やつは完全様式美主義者だからね)、で、ジャレットは楽屋に訪ねてきた老人のコトバでもって、その経過をCDのインナーに付すことで、あらためて、ジャレットはその日の演奏を作品として認識する、つまり、老人の感動がジャレットを動かしてパッケージのCDとなったときにそのようにあとから完成された、そういう作品なのであるようにわたしはこの『ラ・スカラ』という作品を認識している。

いやいや、まじで。おれくらい音楽をしっかり聴ける人類もそうそういないんで。
・・・なんて書いてみたら、いま、風邪なおったかも(わはは)。

あ、そうそう。
行きつけの図書館員を背中から羽交い絞めにして、オラトゥンジ、聴きました。コルトレーンのオラトゥンジ。
ジャズ批評こてこて編集長原田和典さんの『世界最高のジャズ』(光文社新書)で、「マイ・フェイバリット・シングス」のベストテイクとお墨付きの『オラトゥンジ・コンサート』
笑えるくらいにすさまじい。激しく演奏するジャズ、という形容詞では、世界記録のままだろう。山下洋輔の早大バリケードも、マシンガンも、近藤ブロッツマンの犬死にカルテットも、児戯だ。いやはや、圧倒された。どうして、こんなに燃えてるの彼らは、ここで。イントロは7分半のギャリソン渾身のベースソロ、これだけでごはんを食べ終わってもまだ弾いている、かもしれない。おれ、はやめしなんで。
それにしても、この演奏の2ヵ月半後に亡くなったとは。コルトレーン。
吹きすぎて、ブローワーズハイ状態になって、過呼吸で死んでしまったのだな。
ちなみにぼくはもう、なんだかだらしなく、だらだらと、らりって吹いているような「マイ・フェイバリット・シングス」のほうが、好み、ではある。

このブログ、すてきだと思いました。>


Niseko-Rossy Pi-Pikoe |編集CDR寒山拾得交換会musicircus

My追加