Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2006年03月31日(金) |
もはやアイヒャーはミュージシャンと対等なミュージシャンシップを交わしあうひとではなくなってんですよ |
「ひさしぶり。まあくん、モチアンの新譜聴いた?」 「聴いてないです。どうでした?」 「イロ・ハールラは?」 「・・・たしか国内盤を買って聴いた気がする。いま、部屋のCD樹海で行方不明。あれは、・・・あんなもん。」 「どっちも、おれ、ECM買うの、やんなっちゃったよ。どれも最初からずっとメリハリもなく同んなじなんだもの。」 「あ、モチアンの入ったボボステンソンは、思わずはみちんしそーになった。」 「ボボにはみちんか。相変わらず言うことがえぐいの。あれがいいんなら、まあくんにはいいかもしんないな、モチアンの新譜。」 「モチアンが生きている、演奏している、というのがこの20年間のジャズ史の価値、主線ですよ。」 「いまのモチアンのどこがいいのかねえ。たとえば『Psalm』にはドラマがあったでしょ。最近のECMはみんなおんなじじゃないか。」 「そうですねえ。」 「演奏していて何の疑問も持たないのかね、ミュージシャンは。」 「・・・もはやアイヒャーはミュージシャンと対等なミュージシャンシップを交わしあうひとではなくなってんですよ。」 「今のこのECMサウンドの静けさこそ、独裁者アイヒャーが究極的に聴きたかったサイレンスだと。」 「うーん。・・・ミュージシャンはアイヒャーが思ったところにしか音を置けない、んですよ。クリステンセンなんか、(あーあ、みんなこんな演奏しちまってさー、いいのかねえ、おれは早く叩き終えて一杯呑みたいだけだぞ今日もー)、と、年金もらってる程度の気構えかもよ。」 「わはは。かもなあ。ところで、まあくん、むかしECMファンクラブでいーぐる貸切にしたことあったっけ?」 「え?ニフティのECM会議室のオフ会で借りましたよ。師匠はいなかったですよ。」 「あそこのJBLでなにかけてたの?」 「マイブラ、フリッパーズ、ジョーマネリ、不失者、ジョンゾーン、ケティルビョルンスタの『海』、コンポステラ、ストラーダ、ラースダニエルソン・・・」 「JBLでマイブラは鳴らないでしょ。」 「でも楽しかったですよ、クリステンセンはよく鳴ったなあ。クリステンセンといえば、サルーシとのデュオは聴きました?」 「まだ封あけてない。」 「これが予想外の素晴らしさ。最盛期のメセニーグループを感じさせる意識のトラヴェリングっすよ。サーマン〜デジョネットと並ぶ屈指のデュオ名盤です。」 「そうかー。そいえば、タウナーの新作が出てるよね。タウナーも66さいか。」 「あ。タウナーのギターソロですか?知ってしまったら、入手するまでタウナーの音が耳に鳴り続けるじゃないですかー。」
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