Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2005年10月14日(金) |
ニルス・ペッター・モルヴァルの新作『er』 |
オゾンとミスチルとウイリアムパーカーとヒナステラがカーステに並んでいるのはたださんくらいですよ、と、友人。 エンリコ・ラヴァ、マヌ・カッチェ、アリルド・アンデルセン、ちゃんとECMの新譜もあるじゃないですか。 デキシーランドの5枚組ボックス、広沢虎造、UA、アヴァランチェズ。 日本の伝統音楽のシリーズ、おおお、全部持ってるんですか! おなじひとのCDRがたくさんありますね。 あ、エグザイルや浜崎あゆみとかまで買ってんですか!と悲鳴をあげている。おまい、ロヴァ耳日記読んでないな。
ニルス・ペッター・モルヴァルの新作『er』。壊滅的によくない。 モルヴァルに問いたい。きみが『Khmer』『Solid Ether』とECMレーベルで凱旋と進化を見せたあと、どうしたのかね、だいじょうぶかね。 こんな進歩も詩情もモチベーションも感じられない新譜を作って、きみは自分に対してだいじょうぶなのか。 ちょっとユニバーサルと契約してゼニまわりが良くなったからって、こんな自己模倣の小手先でお茶を濁すのか。それでいいのか。 わし、聴いてひとつ感じたのは、ギターのエイヴィン・オールセットなんだけど、彼はすっかりきみとのコラボレーションにおいて貢献してやろうという意思がなくなっているぜ。自分のいいところは自分のリーダー作に投入して、こんなところで見せられるか、おれはおれのリーダー作で評価を得るんだ、モルヴァルなんかに花はやらない、っていう、そんなギターだぜ。聴いてて、聴こえるもの。 きみはジャズのトランペッターとしてはアタマ打ちなのだから、ロック的に、サウンド資質の高い人材を投入しながら、ピーター・ガブリエルの領野に顕現するしかないのだぜ。どや、いきなり出てきたピーター・ガブリエルときいて、ピンときたやろ。ピーター・ガブリエルのサウンドは今になって聴くと、悲惨なくらいにダサくてショボい。 ソノリティの短期現金化、ポピュラリティの獲得にしかモルヴァルの生き残る場所はない。ざんねんだけど。
モルヴァルには名案があるぞ。菊池成孔、坪口昌恭と組んで新生・東京ザヴィヌルバッハとしてCDを作る! このふたりの幻惑的なCDJに乗ってモルヴァルがダークなトーンで吹く!・・・んかー、たまんねー。
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