Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2005年02月11日(金) |
アルネ・ノルドハイムArne Nordheimのボックスセット33CD |
ノルウェーの作曲家アルネ・ノルドハイムArne Nordheimのボックスセット33CD。■$166.98なり。17533えん。1まい532えん。29枚目だけ聴く。 なんだかなー。『Listen』つうタイトル。命令形か。バービーボーイズか。あかぬけないノルウェー人、としとってそのタイトルか。しかも顔ジャケ。
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新譜は新譜の音がし、旧譜は旧譜の音がするということは、ある。時間をみくびってはならない。
また、CDは手に入れないと聴くことができない。 レンタルにはレンタルの音がし、友だちのCDは友だちのCDの音がし、トースト盤にはトースト盤の音がする。
大嫌いなヤツが大のミスチルマニアだったりして、そいつの聴いているミスチルは、ぜったいにミスチルではない。 ゆずとミスチルが大好きです、と語る20代女性彼氏なしが聴いているミスチルも、ぜったいにミスチルではない。
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昨年のベスト5あたりにジャレットの『ジ・アウト・オブ・タウナーズ』を挙げてるとすれば失格扱いとします。いわんや1位おや。 耳がわるいとあきらめて認識するしかないでしょう。ジャズを神とするゴッドチャイルドの立場を憑依すればそうなります。
アイラーの10CDボックス『Holy Ghost』は、英WIRE誌の昨年の年間ジャズベストとして挙げられていました。アイラー存命時の評価のされかたをぼくは知らない。死後の、三島由紀夫の死と重ねられて論じられるアイラー像というのがあった。その残像もあって、やや神格化されすぎているかもしれない。アイラーは根源的にはファンキーだったと思う。音の磁場といったものは、林栄一『音の粒』や高木元輝『モスラフライト』くらいにしか、その後、世に現れたCDでは聴くことができていない水準のものだと思う。
ロスコーミッチェルのソロ3CDは評価4点なれど、これがなんともいい作品なのだ。ロスコーじいさんの仕事場にいて、耳をそばだてている感じ。AECの諸作品やら、Note Factoryやら、を、聴いているひとたちへの老境かくあるべしを伝授してさえいる安堵感あふれる美しさである。“Percussion Cage”というからにはジョン・ケージなのかと思ったら、なんと、単なるパーカッションの鳥かご、なのでした。ロスコーミッチェルが鳴り物に囲まれた鳥かご状のセットに入ってこちらを向いている写真が一葉、ほとんどあちら側に行ったじじいの風情である。そのサウンドは、朋友たちが鬼籍に入ってゆくなか、ロスコーはあの世と交信しながら叩いているかのようだ。こういうものを採点評価するという神経が知れない。おれか。あえて書いた。
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