Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
DiaryINDEX|past|will
ぐっちのどっくたぐ(きむたくもご愛用とか)をプレゼント箱に入れて。 雪ヶ谷に住んでいるピノコ(仮名)ちゃんを新宿のディスクユニオンの近くでひろって雪ヶ谷へ向かう。 m-floとケツメイシとミスチルの「sign」を聴いて、 環七を大田区に入ったところで『雪ヶ谷日記』(5・23参照)をかけると、稲垣足穂が見た星空になった。
ピノコちゃんの部屋は古い和室で。トイレの、木の窓枠や足元の妖怪が出はいりするちいさな木戸。 そして日めくりカレンダーに、大田区雪ヶ谷、と、筆文字で木下呉服店の住所が書いてある。
「この曲はさ、足穂が郵便局の横でひろった女の子のノートにえんぴつで書かれてあったフレーズがね、・・・」
“スペイン瓦の赤屋根を前景にして、馬込村の丘々の横顔があり、その手前を横切って時々おもちゃのような汽車が通過する。” そうあがた森魚が歌ったとき、東海道新幹線が、ひゅん・・・たーっ、と、光の帯のように通り過ぎた。
“菊の花をちぎって蒔き散らしたような星。サーチライトは着物の井桁のようだ。”
「その郵便局、って、きっと、ここだよ」、と、彼女が助手席から指差した。
1900年生まれの稲垣足穂の1945年の日記が、あがた森魚によって2000年に楽曲となり、雪ヶ谷に住む彼女と聴いている2004年5月26日。 すべては意図せずにつながっているのかもしれない。 彼女はそのうち引っ越す予定だと言い、「月島なんかいいんじゃない?」と、ぼくは言ったけど、雪ヶ谷から引っ越した彼女はきっとぼくの知らない彼女になるんだろうと思う。
|