Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2004年05月09日(日) アニメDVD『岸辺のふたり(Father and Daughter)』

アニメDVD『岸辺のふたり(Father and Daughter)』
8分ほどのアニメーションです。2000年制作。各国のアニメの賞を受賞しまくっているのですね。
泣きました。ここ数日、観るたびに泣きます。想いつづけたいひとを想いつづけていいと思います。>いみふめー

特別擁護老人ホームにはそれこそボケた老人たちが収容されています。それでも91さいのばばあのおしめをとりかえると恥ずかしがって抵抗してそれなりにかわいかったり。あるばばあはわたしをみて「げんじろうさん」としきりに涙を流すんです。流動食をスプーンに盛ってあいた口に押し込む作業が食事補助という名目なのですが、流動食を吐き出して「げんじろうさん」とわめくのです。生涯独身だったその老婆は想ったひとを戦争で亡くしたのだそうです。そのひとがげんじろうという名であったかは不明。36さいのわたしは彼女を抱きしめてあげました。ぼけた彼女が感じたことを、ぼくは感じたかもしれず、その弱々しい腕のちからと背骨の揺らぎを。数日後彼女は亡くなりました。ぼくはその仕事をやめました。

98さいのばばあに「おばあちゃん、戦争のとき、いくつだった?」ときくと、「4さい」とかこたえるので、「うそつけ!」というと、「日露戦争で日本は勝ったんじゃ」と遠くを見つめて話していた。っけ。

ミスチルの「ゆりかごのある丘から」と、Coccoの「強く儚い者たち」は、同じテーマでした。視点が違うだけです。
恋人に辿りついたときにはそこには恋人はいない、のです。レンアイが成就してたとえばけっこんしたとしても、そこに彼女はいないのです。

坂本真綾の「Feel Myself」が歌う“突然の別れ”の行く末えも、このアニメーションのテーマとつなげてみたい気がします。

あ、ミスチルの「Hero」のPVのテーマ、あのPVが指していた物語?も、このアニメへのリスペクトだったような気がしますねー。


Niseko-Rossy Pi-Pikoe |編集CDR寒山拾得交換会musicircus

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