Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2004年02月06日(金) |
「ハッスル」・ECM耽美派総帥Aさんの留守電 |
裸の王様、の、王様、と、ロバの耳、の、王様、だと、後者でありたい、というのと、横濱ジャズプロムナードで来日していたロヴァ・サキソフォン・カルテットを聴き逃してまで書いたテキストであったため、ロヴァの耳、と、名付けました。
▼「ハッスル」
いきなし書くが、厄年には理由がある。
41を過ぎて実感することは、思いっきり走ると2日後に筋肉痛がやってくる、徹夜麻雀をすると翌日の予定がだめになる、定食屋の大盛りがつらくなる、冬になると背中やケツがかさかさになって痒くなる、エッチなエネルギーに行動が乱されないようになる、あたまのてっぺんだけが薄くなってきてザビエル化してゆく、あれだけなついていた子どもたちにウザがられるようになる、若い女の子が花のように美しいと感じるようになる。
脳のシナプスが劣化・萎縮して、物忘れ、うろ覚え、勘違い、に、拍車がかかる。ときに不意な懐古に動けなくなる。
不意にヴァン・マッコイ&ソウル・シティ・シンフォニーの「ザ・ハッスル」が耳によみがえり、聴きたくなる。
トゥトゥトゥ・トゥル・トゥル・トゥトゥ、トゥトゥトゥ・トゥル・トゥル・トゥトゥ、・・・ジョイン! ウー、ウウウ、ウー、・・・ジョイン!、ウー、ウウウ、ウー、・・・ジョイン!、 タッタッタ、タラッタラッタッタ、タッタッタ、タラッタラッタッタ。タッタッタ、タラッタラッタッタ、タッタッタ、タラッタラッタッタ。 「トゥ・ザ・ハッスル!」
踊ってない、踊ってない。ハッスル、ききてー。
▼ECM耽美派総帥Aさんの留守電
Aさんから電話があったようで、留守電にメッセージが残っていた。「お時間があるときにお電話ください、電話番号は・・・。」
ひえええ。
ECMが好きなひとのサークルを作ります、と、スイングジャーナル誌にハガキを書いたのは21歳のときだった。 最初に集まったのは4人。 これが、濃い。まったく、濃い。 ECMを1番からソラで番号、タイトル、メンバー、録音スタジオ、ジャケットデザイン、すべて言えるSさん。 ヨーロッパ・ロマン派だー、と、自説のブルドーザー、どこから見ても、どんなに話してもヤーサンとしか思えないギタリストOさん。 東京大学宇宙物理学大学院生で、なおかつあらゆる知性が備わったかのような、フリー・ジャズの辞典のようなMさん。 そして。 「本来であれば、私が会長をつとめなければならないのですが・・・」が最初のあいさつだった、カーペンターズ・ファン・クラブ会長のAさん。
ありえねー。
わたしはこの4人から毎月最低30枚の厳選されたLPを手渡された。 ECMは5枚くらいで、あとはフリージャズ、プログレ、現代音楽、モダンジャズ、パンク、クラシック、歌謡曲・・・あらゆる、彼らにとっての“名盤”が並んだ。
わたしはこの4人にいまだに勝ててない。
キース・ジャレットを、スティーブ・キューンを、三善晃を、モーリス・ラヴェルを、ボリス・ヴィアンを、美少女論を、語ったAさん。
わたしがロクでもないことを書いたり振舞ったりすると、どこからか連絡をされてきて、説明を求められるのだ。
■musicircus
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