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2004年02月18日(水) 生きていてほしかった。

井上部長、死なないでほしかった。
もう一度生きる意味を見つけて、別の道でも良いから歩んで行ってほしかった。
そして徹朗を支えてほしかった。
なんで死なせちゃうんだ、なんで今日なんだ、って思いながら見たよ。

2月15日は友達の命日でした。自殺でした。
20年以上前になりますが、ちょうど昨日、17日がお葬式でした。
毎年バレンタインから数日間、何かにつけてあの時のことがふと頭をよぎります。
そんなここ数日だったので、昨日はきつかった。ホントにきつかった。

忘れもしません。亡くなったという知らせの電話はベストテンを見ている時にかかってきました。
電話を切ってからその場で泣いて泣いて、部屋に戻ってベストテンの続きを見ました。
家族はびっくりしたようですが、ベストテンを見ていた自分をはっきり覚えています。
もちろんテレビを見ていたわけではなかったのですが
何が起こったかわからないまま「日常」を続けるしかなかったんじゃないかと思います。
そのことの重みに耐えかねて崩れないように。
お通夜で黙々と食事をしている徹朗にそんな気持ちを感じました。
理不尽な怒りを父親にぶつけてしまう徹朗も自分と重なりました。
その日私は午後の授業をさぼって映画を見に行っていました。
友達が旅立った頃、ドタバタ映画に大笑いしていました。
さぼらないで普通に授業を受けていたからって何かが変わったわけではないでしょう。
でも腹が立って仕方なかった。
なんで映画を見に行ったんだ、何をあんなにバカみたいに笑ってたんだ。
どこに向ければいいのかわからない感情が爆発しました。徹朗のように。
亡くなった翌日、みんなが息をひそめるようにしていた色も音もない教室。
1日どう過ごしたか全く覚えていません。
そして17日のお別れ。
毎年思い出すあの時のことを、今日、こんな形で思い出させられるなんて。

自殺はイヤです。
たとえドラマの中の作り話であっても。
そういう選択肢があることを知らせてほしくないんです。
ストーリーの展開のためには井上部長は死ななければならなかったのか?
と問いかけることさえも愚問に思えます。
死ななければ伝わらない話なんていらない。
家族の存在に最後に気づいたとか安らかだったとか
そんなきれいごとでごまかしてほしくない。
生きていてほしかった。

昨日はあんまり集中して見ることができませんでした。
リピートすることもできないと思います。


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