- 2006年06月02日(金) 死体は日を追って醜くなります。 きれいな死なんかない。 肌の色が変わってて、目は半開きで乾燥してかぴかぴになっていて。 どこを見つめていたのかな。 くちびるはかさかさで、口の中もぺったりと乾いていた。 首が真っ黒。 爪は紫色。 検死とかの間に、どんどん緑色が広がっていく。 早くきれいにしてあげてください。 パニクっていたときに、繰り返し、私は警察の人にそう訴えていた。 何してるんですか? どうして病院に連れていかないんですか? 早くきれいにしてあげてください。 彼が家を出て行く前日の遣り取りを思い出した。 私が「他の人を好きになった」と言ったら、彼氏は何が起こったかわからないような顔をしていた。 次の日、セブンに一緒に買い物に行った。 そこで私たちは、何事もなかったかのように、平和に、普通に、買い物をした。 彼がこう思ったのがわかった。 「やっぱりそうだ。まりさんは、これからも僕のそばにいてくれるんだ。」 帰り道、ふとした瞬間に目が合って、彼は笑った。 ほっとした笑顔、だった。まさにそんなんだった。 それからセブンで買ったご飯を食べながら 「昨日の話の続きなんですけど」 と彼が話を切り出した。 そこで私は、別れる意志は変わらないこと、今はとにかくひとりになりたいこと、学のことを嫌いになったわけではないけれど、付き合える心持ちではないということ、などを伝えた。 友達としては援助する、とも伝えた。 家庭教師もするし、病院にも連れて行く。 遊びに来るし、遊びに連れて行く。 それは、ちゃんと伝わった? 伝えられたのか? 学はもう、自分の人生は終わった、と思ったのだろう。 自分にとって唯一の居場所がなくなった、と感じたのだろう。 家族にもありのままの自分を受け入れてもらえるという実感がなく、ほとんど唯一のよりどころだった私からも、完全に否定されたと感じたのだろう。 私は完全に否定したつもりではなかった。 でも彼の思考回路、今になってみるとよくわかる。 ゼロかすべてか、そのどちらかだ。 それは彼の性格とかではなく、そういう風に生まれついているものらしい。 発達障害、と見立てをしている病院の先生は、そういう風に言っていた。 治るとか治らないとかではなく、一生付き合っていくしかないのだと。 先生。 もっと早くそれを言ってほしかった。 私は第三者だから言ってもらえなかったのかな。 もっと早く、家族を呼ぶべきだったのか。 一番肝心なところを私は熟知できていなくて、それで。 実行はしないけれども、決してしないけれども、もう、私も死んでしまいたい。 こんな私に生きてる価値なんかない。 何も出来ないどころか、こんな暗闇に彼を叩き落として、のうのうと生きてるなんてもう嫌だ。 -
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