ふるさと発スペシャル「あなたへ 〜ヒロシマ あの夏の約束〜」 金曜日の夜、NHKで放送されたドキュメンタリー。
横須賀市に住む87歳の女性は、10代のとき、父の知人だった青年と出逢い、戦争の中、お互い愛する思いを抱き続け、昭和20年8月に婚約する約束を交わしていた。しかし、その男性は、婚約直前の8月6日、広島市千田町の、現在の広大で、原爆に遭い、この世を去った。女性は、原爆投下時、横須賀で、友人に結婚の報告をしに向っていた途中だった。
数日後、その男性の恩師から、女性へ1通の手紙が届けられた。 原爆で、戦死したというものだった。 女性は、深く悲しみ・・・
それ以降、女性は、婚約者への想いを詩につづりながら、独身を貫き、ひとりで暮らしてきた。いまも、ひたむきにその男性を愛し続け、誇りを持って生きている。
2人の出逢いから、原爆投下後までを、女性のインタビューと、控えめな再現ドラマで、番組は進んでいく。
そして・・・65年後 87才になった女性は、新幹線に乗り、広島駅に降り立った。 原爆の時とは、変わり果てた大都会広島。 女性は、原爆ドームへ向い、広島大学を訪れ、婚約者の被爆時を克明に記した資料を目にする。そして、原爆投下の少し前、横須賀から単身、男性に逢いに広島へ訪れた際、婚約者との最後の別れとなった、向洋駅のホームに立つ。 その後、千田町の東千田公園へ。婚約者の男性が原爆投下で、亡くなった場所である、現在の公園の広場で、しゃがみこみ、涙する。
原爆投下から65年という時間、その時間とともに、愛が続いている。
私も、この番組を見て、つい涙してしまった。
秀作なドキュメンタリーだと想います。 あくまで過度な演出はせず、ただ、淡々と、女性を映し出している。ドラマも、あくまで控えめで。
ドキュメンタリーのナレーション(常盤貴子・小林薫)もよかったです。小林薫さんがナレーションされると、美の巨人たちと、つい混同してしまうけれどね
ふっと、かつて、私のおじいちゃんが、生前よく話してくれた、被爆体験の話を、思い出してしまった。先日亡くなったおばあちゃんにも、元気なときに、そのおじいちゃんとの思い出や、戦時中のお話を、たくさん聞いてみたかった気がする。
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