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2005年03月04日(金)
マイ・ブックショップ・エッセイ2

きのうの日記の続きです

みなさんは、小さい頃の本屋さんの思い出ってどんなものでしょう?
僕は、小さい頃から本屋さんへ連れて行ってもらうのが大好きでした。幼稚園〜小学校低学年の頃、行きつけだったのは、「ひろでん楽々園ショッピングセンター1階の本屋さん」でね、書店内でいつも向かっていたのは、地図売場と鉄道の本の売り場。地図とか時刻表が大好きでした。メジャーな昭文社よりも、ワラジヤ、人文社のような、マニアックな会社・・・ガキのクセに地図のメーカーにこだわりを持っていた、変わったやつだったのですよ。

昔の本屋のイメージってね、マンガ「ドラえもん」でのび太がよく立ち読みしにいく本屋のイメージとだぶる。気難しい顔をしてる店主のおじさんが、いつもハタキを手にしてて、立ち読みしてるのび太をパタパタパタ・・・。週刊誌を並べてるラックが、店の外にある。そして、今ではあまり見かけなくなった、鉄製の回転式ラックもある。(黄色い「小学館」のものと、白い「昭文社」のもの。小学館の方には、絵本がたくさん収められてて、子供がくるくる回しながら探してる。昭文社の方は、上部には全国の折りたたみ都市地図が番号順に収められてて、下部には、分厚い道路地図)レジの上には、サービスのしおりポケットカレンダーがおいてある。こげ茶色の重たい感じの書棚には、天井高くまで本が並べてある。本屋のプーンと香る事務的な匂い(郵便局とはちがう匂いね)がして、子供ごころにびしっと引き締まった気持ちにさせられる。

子どもの頃の自分にとって、本屋さん大活躍な時期は、もちろん!夏休み、それも盆過ぎね。自由研究や読書感想文、社会科の研究などなど、「これはやばい!」と気付いて、本屋で、学研やら旺文社の図鑑とか、読書感想文コンクール推奨の物語とかとか、本を買い込むわけです。あっ、新学期になったら、学校から配布された教科書を、事細かに解説してる「教科書ガイド」なる本も買いにいったなぁ。こればかりは、自分の学区の本屋に行かないと、自分が使ってる教科書会社のものが手に入らないわけでね。いまでも、郊外には、そうした昔ながらの本屋さんを見つけることが出来るが、さすがに入ることは少ないですね。でもたまに入ると、そうした子供のころの思い出がふっとよみがえります。
大型の書店がたくさん街に出来て、とても明るく広い店内に慣れてしまうと、こうした小さい街の本屋さんに、ある種のノスタルジックな気持ちを持ってしまいます。


昨日の日記で触れなかった古書店。
僕は、一度、東京の神田神保町の古書街をとことん歩いてみたい気持ちが以前からあって。昨年日記にも書いた、映画「珈琲時光」での、浅野忠信が経営してた神保町の古本屋のような世界も、それはそれで、本を人を密に結び付けてる、素敵な世界だなぁって感じるのです。本からたくさんの歴史を感じる空間といいますかな・・・僕も一時期そういう古書店によく行ってた時期があって。金座街のアカデミィ書店あたりで、昭和30年代発刊の「太宰治全集」のような小説やら、年代モノの地図などを買ったりしていました。そうした古書店で買う本には、前の持ち主のしおりとか、ちょっとしたメモとかが時々挟まれていたりする。あぁ、たかが本1冊でも、いろんな、この本を手にしてきた人の歴史が刻まれてるんだなぁ・・・などとふと感じたりします。こうした古い本、3年前の引越しの際に多くは手放してしまったが、きっといまでもその歴史は、誰かの手に、引き継がれて、どこかの書棚に納められてるんだろうな。うん。アカデミィ書店のような老舗の古書店は、歴史の迷宮のようで、独特の雰囲気ですね。ほら、ブックオフとは対極にある感じね。(さすがに僕はアカデミィさんには本を売りに行くことはないなぁ。かなり審査が厳しいから)

自分が歳をとって、脱サラというわけじゃないけれど、のんびり小さなしゃれた本屋さんでもやりたいものです。もちろん何かに特化した本をそろえて。地図でも、絵本でも、インテリアやアートの本でもいいから。おしゃれな店内、テーブルを置いて、珈琲でも作って、のんびり選んでもらう感じにしてね。ま、ささやかな夢ですな。はい。もちろん、のび太の行きつけの書店の店主のようにハタキは持たないよ(笑)



コバルト

広島在住
文筆とカメラとここちよい暮らしが好き
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