Land of Riches
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先週金曜、入眠に恐怖を覚えつつあると書きました。あれからも症状は悪化し、 月曜には映画館のシートで暗い気持ちに怯えてしまったので、思い切って職場が 外部委託しているカウンセラーにスポットカウンセリングとしてメッセージ送りました。
思ったより早く返信されてきたのは、メッセージでは状態がよく把握できないので 一般論になってしまいますが…と前置きのついた、2週間睡眠障害が続いたら 精神科にかかった方が良いと記された、本当にテンプレートみたいな文でした。
しかし、その定型文にヒントがありました。いつから症状が出ていますか。 そのタイミングで生活に変化はありましたか―1週間くらいからと書きました。 分かりやすくあった出来事、それは祖母の一周忌法要でした。
祖母が浄土真宗の信者だったため、葬儀でも法事でも坊主と一緒に正信偈を 唱和させられますし、最後には法話として白骨の御文章について触れられます。 諸行無常、諸法無我。仏教は現世を生きる虚しさを“救って”はくれないと 以前、本を読んで感じたのを思い出します。哲学は人生を不安定にするのです。 (安定しているように見える世界をあえて疑う学問が哲学だと思ってます)
法話でも言われる通り、蓮如は別に“生”に絶望させたくて書いたわけではありません。 蓮如が生きた室町時代後半は今よりずっと庶民が希望を持つのが難しかったでしょうけれど。 いつか死ぬのなら生を充実させねばならない、無駄にしたくない焦り。 それが、また1日やり過ごしてしまった虚しさとして布団の私に襲ってくるのです。
太陽と死は直視できない、とラ・ロシュフコーは述べたそうです。 ではどうしたらいいのか。答えの出ない問いに苦しんだり遠ざけたり、 18歳の頃からそうやって生きてきたのを思い出しました。そもそも私が 人生初めての精神科行きに至ったのは、受験のストレスではなく、 母方の祖父の死で、初めて“死”という喪失を実感したからです。
グリーフケアが必要だったのではなく、いつか来る自らの死への恐怖ゆえ、 人生で最も死に似ているとも言われる睡眠が怖くなった…全く同じです。 原因が分かれば少しは落ち着きますが、今の仕事では充実感を得るのは難しいでしょう。 そして追いかける対象を失ってしまった趣味でも。2024年、難しい年と感じてます。
2024.4.17 wrote
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