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 2024年04月13日(土)   緞帳 

相模大野にある相模女子大で歌舞伎刀剣乱舞(以下とうかぶ)に小烏丸役で出演した
河合雪之丞さんに聞く特別講座があるとSNSで見掛け、申し込んで行ってきました。

―歌舞伎になった『刀剣乱舞』 出演俳優・河合雪之丞さんに聞く。
こんなタイトルですがとうらぶは釣り餌で、メインは相模女子大に開設された
「日本学国際研究所」の周知が目的で、松竹との共催となっていました。

SC相模原の試合へ行くために何度か下車している相模大野ですが、駅ビル以外は何も知らず。
地元の人に教えてもらった居酒屋ランチを賞味(その日ある物で作るため
値段や品数が不定という…夜に行ってみたい店でした)後、キャンパスへ向かいました。
大学の教室の椅子はこんなに冷たかったな、と思いながら着席しました。
受講者は老若男女幅広く。審神者もいましたが、歌舞伎ファンが多そうでした。

小烏丸はたおやかで女形向けだと感じた河合さん。異界コンビでさえ年下で、
稽古の合流が最後だった(歌舞伎は定番演目では知っている前提で場当たり的に
5日程度の稽古が通例とのこと。今回は流石に新作なので1か月くらいあった)
ため、
後輩役者の出はけなどを教えてもらい、介護されていたと言って笑いを誘っていました。

制作に際しては歌舞伎の魅力を伝えるべく音響や大立ち回りなどで多くの
古典歌舞伎作品の良いところを詰め合わせたような構成となったとうかぶ。
それでいて、舞台上に琵琶演奏で女性がいたりと伝統にとらわれない要素もありました。
松也さんは公演期間も夜の部からいきなり台詞を増やしてきたりしたそうです(笑)

明治時代に生まれた新派の女形が絶滅危惧と化している現状を憂いて、
劇団新派に移籍した河合さん。歌舞伎の女形は男性が着用する前提で着物もカツラも
かなり大きいのですが、新派は普通に女優もいて、サイズ感はリアル。
明治時代の風俗(発音等)を残したリアルの中の様式美が魅力とおっしゃっていました。
発音は時代と共に変化するので、河合さんは時代劇でのイントネーションが気になるそうです。

歌舞伎のアメリカ公演でやまないスタンディングオベーション(=客側の表現)に触れ、
スーパー歌舞伎にカーテンコールを導入したのが河合さんの師・三代目市川猿之助。
やりたいことをやりたいようにやる子供のような人だったと述べていました。
とうかぶのハチャメチャなカテコも、この流れを汲んでいると言えます。

昨今SNSを騒がす演劇のチケット料金問題にも言及がありました。
学生価格チケットは私もあってほしいと思います。とはいえ、そんな河合さんが
夏に出る新派の公演はそれでもお値段4桁。2.5次元舞台はそれを超えています。
河合さんが3歳ぐらいからでTVで歌舞伎を見ていて、いつ好きになったのか
名言できない経歴をお持ちなのもあり、TVでの放送もあってほしいとのことでした。

全体通して興味深い話が多く予想以上に面白かったですし、何より最後の質疑応答で
古典芸能の衰退を憂う女子高生・女子大生が続けて登場(前者は静岡県から参上)して
河合さんも唸るような真摯な質問を繰り出していたのがとても印象に残りました。

帰りも教えてもらったカフェに寄り、工芸茶「心心相印」を飲みながら手紙を書きました。
工芸茶は茶葉がポットから取り出せないので時間が経つと苦くなると学びました…。

2024.5.12 wrote


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