Land of Riches


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 2020年11月21日(土)   御曹司 

とうらぶ実装後は初展示となる日向正宗を見に三井記念美術館に行ってきました、初日に。
これまでは展示初日なんて絶対選ばなかったんですが、コロナ感染急拡大の昨今、
何が突然打ち切りになってもおかしくない時代になってしまった以上、
リスクマネジメントとして初日をチョイスするという安全策に達しました。

美術館があるのは昭和4年に竣工した重要文化財・三井本館の7階。
入口は隣の日本橋三井タワー。展示告知のサイネージやパネルがゲート脇の1枚を除き
ほぼ透明アクリル越しで(でじたろうさんが載せた1枚のみが例外かな?)
撮れば大体映り込み。チケット売り場の係員さんが揃って胸にとうらぶコラボグッズの
日向くんバッジをつけていたところで、日向くんが御曹司なのを痛感しました。

もともと三井家は伊勢松坂がルーツ(美術館にも松坂のポスターが貼られてました)で
紀州徳川家とは縁が深いとか。紀伊徳川は御三家で唯一財政破綻してしまった家で、
それもあってか商人たる三井家にいろいろゆかりの品があるようです。茶器とか。
(茶器の占める割合が展示では多かったんですが、みんな秀吉所持とか
 利休作成とか幽斎が和歌を書いたとか由縁が半端ないものばかりでした)

国宝の日向くんはじめ数は多くないと言えど名品揃いのコレクション。
刃文が美しい助真、一文字の薙刀。貞宗らしい掘り物のある徳善院貞宗。
新刀の祖らしい加藤国広(この刀も筋肉重視なのか…と思ってみてしまう)
ほとんどが総領家である北家の旧蔵品。日向くんは明治に三井家入りしたと
推測されてますが、他の刀も目釘穴は少なめで、みんな借金のカタかなと邪推しちゃいます。

今回は刀身と拵は完全に分けて展示されていたのですが、拵は展示ケースが
高く近いものだったので(おそらく通常は小さい絵画を展示する場所)
じっくり眺められました。徳善院貞宗がいかにも徳川らしい葵の紋が大きく
散らされたものだったのに対し、日向くんは葵唐草でさりげなく葵を描き、
黒地に黒で葵唐草を散らした大変お洒落なもの。とうらぶで着ている
枢やな先生デザインのお洒落な装束にも納得してしまいました。

武家の美がテーマとあって家紋入りの雛道具もずらりと並んでましたが、
これもお金の力で手に入れたんだよと示すかの如く、売り立てでの古写真も
一緒に展示しているあたりが商家らしいと感じました。とうらぶ実装刀を所蔵する
どの私立博物館とも違う“お大尽”らしさを意識せずにはいられませんでした。

なにせ日本橋室町は今も三越やらコレド室町やら内装デザインすら和洋折衷にこだわった
三井グループが牛耳る一等地なんですから。あそこに住んでいると思ったら、ねえ。

2020.11.22 wrote


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