Land of Riches


IndexBeforeAfter

 2019年07月30日(火)   前哨戦 

J2の日程が出た直後、2/10に沖縄遠征を予約しました。
休暇取得日数を減らすため、退勤後に20時発の飛行機に乗る2泊2日。

まさかその後の数か月で大量退職、有休取得の強制etc.職場の環境が
ここまで劇的に変化するとは予想できませんでしたよ…。
連日残業を強いられているので、確実に搭乗すべく選んだのが午後休でした。
いや、これさえ所定の時刻より30分以上残業したんですが!

沖縄へ持参する荷物はコインロッカーに預け、どうやって時間を潰すか、
思案した末にチョイスしたのが福利厚生の一環で無料入館できる森美術館でした。
現在、開催されているのは塩田千春さんの個展「魂がふるえる」。

博物館と違って美術館(特に現代美術)は見ても理解できないことが多く、
無料入館もあまり活用できていません。今回も結局よく分かりませんでした。
しかし、理性よりももっと奥、感情よりも深い本能的な部分が、
なんらかの不安…ゾワゾワするような感覚を掻き立てられたのも確かでした。

『記憶、不安、夢、沈黙など、かたちの無いものを表現したパフォーマンスや
インスタレーションで知られています』
森美術館が書いた概要からの抜粋です。

人生で最初に死を意識したのが、祖母だったかの墓の土盛りに引き寄せられるような
感覚だったかな、うろ覚えですが、私も母方の祖父の死で現在まで継続している
鬱気質を呼び起こされたのを思い出して、謎のシンパシーを感じました。

そして後で知ったのですが、今回の展覧会自体が再発した癌との闘病と
同時進行で2年かけて準備されたのでした。いろんなものを血管イメージの赤い糸と
宇宙イメージの黒い糸で埋め潰すオブジェクトが招く不安は、
個人である以前に生物である共通点が呼び込んだ必然の帰結だったのでした。

会場の都合で静物しか置けないので、過去の展示で行われた“動くもの”は
映像での紹介でしたが、体に赤い液体の流れるチューブを巻き付けまくる、
巨大なドレスに上から泥水を垂れ流し続ける、自ら泥のシャワーを浴び続ける…と
やはりよく分からないけれど、それでも見続けてしまう不思議な引力がありました。

小さなフィギュアを赤い糸でつなぎまくる、太い糸で天井から大量の
スーツケースをぶらさげる…今もうまく言葉に出来ないのですが、
独特の魅力があり、世界中で支持されるのも頷ける個展でした。
言語を超えて、人間…理性ある生物共有の本能に訴えかけてくるのでしょう。

その後は早めに空港に向かい、待合ロビーでひたすらFGOしてました。
空港ってwi-fi飛んでて無料充電スペースあるから環境として最適なんですよね(おい)

2019.8.17 wrote


やぶ |MailWeblog