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 2016年11月17日(木)   文化財 

久々にトーハクへ行ってきました。おめあては15日から亀甲貞宗と入れ替わりに
登場した厚藤四郎(とうらぶ開始後二度目の展示)と、特別展・禅展。

トーハクは常設展だけでも1日潰せるぐらい展示物が多い(建物多いし)のですが、
体力あるうちに特別展を…と思って最初に平成館に向かったのですが、正解でした。
1600円取るだけあって、中身大充実でした。舐めてました…。
大陸での禅の起こり、日本の名山の紹介、戦国武将と禅僧の師弟関係、
禅が契機で伝来した茶文化、お寺の壁を飾る襖絵、といった構成でした。
わざわざ後期展示で話題の若沖を追加してくる商売センスも。

自らのうちにある仏性を目覚めさせるべし、という禅宗は文献を重んじず、
師との問答や座禅によって悟りを目指します。よって、釈迦から脈々と続く
師弟関係の系譜が重視され、定型構図による師の像(2次元絵画も
3次元彫刻もあり)がどの名刹の紹介でも必ず出てくる流れとなっていました。

一番見たかったのは戦国武将のコーナー。
今川義元の師が人質時代の家康を教育した話や、
信長が天下布武を言い始めたのは禅僧の影響といったたぐいですね。

信長も秀吉も、そして黒田長政も、なんだかんだで一番有名な
肖像画と似たような顔をしているのだと思い知らされる展示でした。
展示替えして違う信長像が出てきても、顔の作り一緒なんですもの。
信長は仏教を嫌悪していたわけではなく、使えるものは使う主義だったのでしょう。

長政はキリスト教を棄教したりという宗教遍歴をたどった果てに、
晩年は禅宗に帰依するようになります。これも父親の影響だから驚き。
父親の宗教ちゃんぽんは、付喪神を語る上では外せませんから…。

出展されていたのは、広尾の、お墓もある祥雲寺にある肖像画でした。
馬上像と同じしかめっ面で、僧衣を着崩し、枕と服には下がり藤(not藤巴)の紋があり、
脇には糸巻太刀を置き、扇ぐものを手にしている長政。
亡くなってから日が浅いうちに作ったものだそうです。
後ろの賛もじっくり読みました、百戦功成、武家棟梁人宝剣。

茶器展示で、新田肩衝があるのには驚きました。徳ミュの稼ぎ頭?
徳ミュでは見たことがなくて、前回見たのはキューハクの戦国展でした!
瑞厳寺の政宗像みたいに、他の展覧会で見た!というアイテムも散見され。

厚くんは修学旅行の女子生徒に大人気でした。
本館でシャッター音がやたら響いてる部屋と言えば13室ですから!(苦笑)


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