Land of Riches


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 2014年07月20日(日)   ベターテンション 

もしも、全てがあらかじめ定められていて、どうあがこうと人間はそれを
なぞるだけの生き物だったとしたら…生きることに意味はあるのだろうか、と思います。
人間は不思議なもので、訳が分からないことも受容できなくて、
無理やり因果関係を創出する「占い」を太古から導入もしているのですが。

「次に生まれてくる時も、必ず、このチャントが響く街に生まれてくる」

目先の勝敗に明け暮れる高校サッカーを尻目に、自らを磨き高みを目指すJユース。
成功者と脱落者の明暗―それぞれの苦悩すら、宿命という台本を演じるだけの喜劇だと
自嘲するしかない“葉の詠み手”。設定自体は前世紀の概念だし、
エンディングのプロットは柏へ引っ越してきた頃からずっと箱へ入ったまま。
そろそろ成仏させてあげないと、まともにサッカーも見れないんだと悟りました。

エスパルスは、古きJユースの薫りを比較的残し続けていた偏見を抱いてますが、
今は、東海プリンスでカテゴリー落ちの苦汁も味わいましたし、サポーターが
「勝利至上主義」という横断幕を貼るのも仕方ないかな、と感じました。

ワールドカップでスペインが敗退し、ティキタカの是非を語られ、
サッカーの歴史はある戦術の発明と、その対抗策による螺旋で描かれてきたけれど、
育成に正解はなく、セゾン・野洲・関西大系のテクニシャン大好きサッカーがあり、
対して国見・駒大系のフィジカル押しもある(すごい偏見…)、どちらが正しいわけでもなく、
いろんな哲学で育てられた選手が奏でるオーケストラこそが強く美しいサッカーなのでは、と
そんなことを考えながら見ていました。…目の前の試合見てないのか(苦笑)



プレミアEAST首位攻防戦(という事実すら出かける1時間前にtwitter検索で知った)。
その看板にふさわしい、良い意味での緊張感に包まれた試合でした。レイソルvsエスパルス。
立ち上がり、レイソルは復帰した中山くんのヘディングで電光石火の先制点を記録します。
前半はレイソルがボールを回し、機をうかがうも、エスパルスも鋭くえぐり返す流れ。
後半になると、エスパルスが畳み掛けてきて、レイソルの守備陣が奮闘する展開でした。

MVPは間違いなく、決定機3本はじきだした(前半1、後半2。特に後半の最初1つは
味方がかわされての1対1だから大きかった…残りの2本も失点覚悟しました)
GK木村くん。彼があまりに光り輝いていましたけど、DF陣だって体張って奮闘してました。

コンディションではなく(全クラも天皇杯もなくなったレイソルU-18、
ようやくターゲットを絞って戦えるようになった、とも残念ながら言えます)
シチュエーションによってパフォーマンスが上下動するのは、人間の面白いところでもあります。
首位攻防戦、という境遇が両イレブンとベンチ(!)を戦いに強く集中させてました。

テンション高くない試合でも、それなりのパフォーマンスでまとめられるのが
本物の力ある選手だとは思いますが、特別なシチュエーションは、
そもそも選手たちがある程度がんばらないと立てない舞台ではありますから。



ユースって、何のために存在してるんだろう、と相変わらず感じます。
正解は無いと、さっき自分でも書いてますけど。
たとえばRKUの育成って、今となってはどんな評価なのかな、なんて考えたりすると、
本当に難しいと…長きに渡って評価されるメソッドの確立は難しいと、改めて思います。


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