Land of Riches
Index|Before|After
2010年07月16日(金) |
『時の尾』を読んだ。 |
「半分欠けた月」さんの感想エントリを拝読して、bk1にてポチった1冊。
主人公は小柄で華奢、前髪の間でギラリと光る瞳が印象的な元少年兵「ヤナギ」。 オートバイ屋の主人「コバヤシ」ともども、脳内キャスティングしちゃうのは 自然な流れでしょ!と言い張ってみたり。主人公の親友「トモヲ」は桐畑さんで(笑)
内戦明けの熱を帯びた世界にあって、クールに自分を貫こうとする主人公。 しかし彼には幼少期の出来事に起因する、ある属性(俗に言う○○コンプレックス)が…。
そのギャップが、ポルノグラフィティのギタリストさんらしいとファンの方が評する 精緻過ぎるまでの表現と、ストーリー全体の王道ぶりとの幅に近いのでは…と感じました。
帯には「明日が今日と同じなら生きている意味がないじゃないか」とのコピーが。 これを借りるなら、『音楽or本が現実と同じなら聴くor読む意味がないじゃないか』であります。 それぐらいの王道展開(登場人物同士が終盤に絡まり合っていく流れも)ゆえ、 読後の爽やかさは抜群です。本職作家さんではないから…でもあると思います。
脳内キャスティングをしなくても「ヤナギ」は可愛いと感じられるキャラ造形ですから、 食前酒をあおったような心軽やかな気分を、本で味わいたい方にはオススメ。 自分はポルノグラフィティ聴かないから、音楽との関係では語れんとです。
2010.7.17 wrote
|