Land of Riches
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日立台の人工芝コートは、ご存知の通り、片側のタッチラインすぐ脇に ネットが下げられていて、それだけが観客と選手を隔てる薄い障壁になっています。
タッチラインとネットとの間は、人が一人かろうじて通れるぐらいの幅しかなく、 給水ボトルはそこへ置かれ、スローインもそこでしかできないから、勢いもつけられません。
人工芝内へ入ったことが一度しかない(トップの試合で体験型イベントがあった時)ので、 やっている選手からしたら、観客が近すぎるというか、ピッチサイドが狭すぎて とてもやりにくい会場ではないのかな…と勝手に思っているのが正直なところです。
クラ選2次予選、ジェフ戦。昨日、トリプレッタに痛い黒星を喫したジェフは 必死にレイソルへ迫ってきました。攻めも、守りも。それを超えられなかったのですが。
ネット脇が、右のタッチライン際だった、後半のある時。 二人に圧迫され、ライン際へ追い込まれた仲間くんは、背負いつつ、 ラインも割らせず…左と右の足の間でボールを動かしながらキープしていました。 それが、私の50cm手前。
迫り来る相手の足とライン。 物理的にも、心理的にも耐えながら、ボールを保持し、味方へ繋ぐ。 時間にしたら、ほんの数秒だけど…仲間くんの凄さを改めて感じた貴重な刹那でした。
2回フットサルをやった程度で、その練習にて、まずインサイドキックで ラインに沿ってボールを転がしてみましょう…というメニューすら できずに悪戦苦闘していた私にとって、選手は皆、雲の上の存在です。
仲間くんは、いつかの参入戦で、足裏でボールを撫でるタッチ1回で恋に落ちた選手。 こんな風に柔らかくボールへ触れられる人がいるんだ…と、うっとりして。 (この時も、タッチラインすぐ脇に座って観戦という、ありえない距離だった)
いつも言ってますが、選手が有名になればなるほど、そのプレーを見ることが 可能な位置(観客席)との距離は、遠くなってしまいます。大学サッカーでさえ、 ユースと比べたら距離を感じます。だからこそ、大臣杯予選は貴重なのでして。
あの、ありえない距離で見られる日立台の人工芝は、とても大切な場所なのです。 仲間くんも、今年の冬には、離れてしまいます…月日が経つのは早いですね。 そうなってしまうのが分かっているからこそ、記憶を刻み続けなければならないのです。
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