Land of Riches


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 2010年06月06日(日)   左足と右足の間 

日立台の人工芝コートは、ご存知の通り、片側のタッチラインすぐ脇に
ネットが下げられていて、それだけが観客と選手を隔てる薄い障壁になっています。

タッチラインとネットとの間は、人が一人かろうじて通れるぐらいの幅しかなく、
給水ボトルはそこへ置かれ、スローインもそこでしかできないから、勢いもつけられません。

人工芝内へ入ったことが一度しかない(トップの試合で体験型イベントがあった時)ので、
やっている選手からしたら、観客が近すぎるというか、ピッチサイドが狭すぎて
とてもやりにくい会場ではないのかな…と勝手に思っているのが正直なところです。

クラ選2次予選、ジェフ戦。昨日、トリプレッタに痛い黒星を喫したジェフは
必死にレイソルへ迫ってきました。攻めも、守りも。それを超えられなかったのですが。

ネット脇が、右のタッチライン際だった、後半のある時。
二人に圧迫され、ライン際へ追い込まれた仲間くんは、背負いつつ、
ラインも割らせず…左と右の足の間でボールを動かしながらキープしていました。
それが、私の50cm手前。

迫り来る相手の足とライン。
物理的にも、心理的にも耐えながら、ボールを保持し、味方へ繋ぐ。
時間にしたら、ほんの数秒だけど…仲間くんの凄さを改めて感じた貴重な刹那でした。

2回フットサルをやった程度で、その練習にて、まずインサイドキックで
ラインに沿ってボールを転がしてみましょう…というメニューすら
できずに悪戦苦闘していた私にとって、選手は皆、雲の上の存在です。

仲間くんは、いつかの参入戦で、足裏でボールを撫でるタッチ1回で恋に落ちた選手。
こんな風に柔らかくボールへ触れられる人がいるんだ…と、うっとりして。
(この時も、タッチラインすぐ脇に座って観戦という、ありえない距離だった)

いつも言ってますが、選手が有名になればなるほど、そのプレーを見ることが
可能な位置(観客席)との距離は、遠くなってしまいます。大学サッカーでさえ、
ユースと比べたら距離を感じます。だからこそ、大臣杯予選は貴重なのでして。

あの、ありえない距離で見られる日立台の人工芝は、とても大切な場所なのです。
仲間くんも、今年の冬には、離れてしまいます…月日が経つのは早いですね。
そうなってしまうのが分かっているからこそ、記憶を刻み続けなければならないのです。


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