Land of Riches


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 2004年08月05日(木)   「まだ、そこにいるの?」 

晩ご飯を食べるかどうか(not何を食べるか)3時間以上悩んだ末、ようやく
コンビニ―例の二人のお陰でちょっとドキドキしてしまう―へ行ったのですが、
そこでまた、何を買えばいいのか決められないのです。洗濯機を回すかやめるか、
お風呂に湯をはるかシャワーだけにするか、そういうレベルで決断できません。
おまけに、その3時間、何をしていたかといえば、アジアカップ準決勝ハイライトすら
見ようとせず、だらだらとサーフィン、それも断続的に(テレビと違って
ネットは自分のペースで回れることを最近学習)するばかり。この調子だから、
仕事なんてまともにこなせるはずもなく、ただ部屋の片隅で震えたくて…震えもできず。

自部署のカラープリンタが原因不明(正しくは「原因を追究しようとしない」)の
故障で使えず、別フロアに出力しているのですが、それがまた遅くて遅くて、
つい明神さんの「まだ、そこにいるの?」なんてXEROXのCMを思い出したのです。

思い出す…といっても、オーストラリアの大地をイメージしたシドニー五輪用の
あのボールの名前(明神さんはCMの中で柄でもない(暴言)ラボーナを披露)が
思い出せなくて、イライラしてるんですが。そもそも、アテネ五輪用のボール、
写真では見たんですけど、これまた名前が思い出せない…adidasのサイトまで
ちょっとジャンプすれば済むことなんですけど、それがまたやる気にならなくて。

あのCMの明神さんは、本気で(高原さんとか他バージョンと比べてもぶっちぎりで)
かっこよいと思うのですが、今の明神さんはどうでしょう。明神さんを見ていると、
性格というのは他人の目から見たその人の定義付け、という説も頷けます。

ユース代表の頃から…ティーンの頃、早くも「いぶし銀」というキャッチを
頂戴していた明神さん。その次の代、つまり、あのナイジェリア銀メダル世代を
追い掛け回したaiに「宮本・柳沢・山口(智)・戸田…と、ピッチを離れると
クールだった前の代に比べて、この代はうるさいことうるさいこと」と
書かせていたマレーシア世代(南さんは両方の大会に出てるんですよね)の中でも
一際大人びていた―ナイジェリア世代があの扱いを受け始めたきっかけは
小野キャプテンの「たくさん載せて下さいね」発言だったとかなんとか―明神さん。

地味だのいぶし銀だの言われ続けて、あの人は今のようなあのスタイルに
なっちゃったんじゃないか、ってたまに思うんです。J1クラブで、それも
若い選手が多く、中堅とも呼びづらい世代となり、キャプテンマークを巻く今でも、
明神さんはほとんど変わっていない(顔もそうですが)ように思います。
オリンピックもワールドカップも経験している、その経験と比例しない
存在感というか、見る者の瞳に対する軽さ―あの人のパスカットは、見れば見るほど
ものすごいセンスを感じるのですが、なんだろう、流して見ていたら気づけない、
周りを自分のペースへ引き込むのが王様MFなら、明神さんはその真逆で、
周囲へ溶け込んでしまう…それを定義付けたのは誰か、何なのかって思うのです。

記録より記憶。でも記憶なんてアテにならない―私は茶色い髪の健一様を見て、
この人、私が昔、大好きだった人(notサッカー選手)に似てきてるって思ったぐらい。
記憶は、全て水面下に沈んでいる―そして、必要なものだけが、必要な時に取り出される。

たとえば、フリマ、すごい楽しかったから、すぐレポ書くと思って、何一つ
メモを残してないんです。でも、もうスーツを売る永田さんぐらいしか思い出せません。

フランス最終予選のカザフ戦で、高木さんのゴールを覚えていたりする、
曖昧な、主観的な想い出―サイトのためといってメモを取ることもある、
だけど最悪な試合と、そして興奮する最高の試合は、何も書けてないことが多い。

そんなことを人様の雑記(WINGBEATS雑記帳)を見て、思いました。
…メモを取らないと覚えてないことなんて、たいしたことないんですよ。
だって、そのゴールがどれだけ素晴らしい過程で生まれたかとか、どんなに
すごい笑顔をこぼしていたかとか、そんなこと、メモに取れてた試しないですもん。

だから、なんでサイトやってるかって自問自答は、サイトそのものと同じように
堂々巡りなんですよね。「応援」サイトってなんじゃらほい、とかって。
サイトを作ることが応援になるのかって。ね、本人に届くわけでもないし。

…なんでもそうだ、ボディシェイプみたいに、定義しようとするから、その問題は
発生するのであって、気にしなければ、考えなければ、形にもならないのだ。
誰もそんなこと気にせずに済むのに。本当、人間は面倒くさいイキモノです。

試合のビデオ一つとっても、何度も繰り返して見て何度も泣く人、録画したこと自体へ
安心して結局見ない人(as me)、はなから自分のプレーを見返す気がゼロの人(as玉田さん)、
逆に他人がプレーするのを見ることはない人(as谷澤さん)、いろんな人がいる、
ただ一つの共通点は、同じ試合を見て、同じ時間を、同じ対象を共有していることだけ。

見方は十人十色、正解なし―でも、なんでか、それを書いて伝えようとするんだよなぁ。


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