Land of Riches


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 2004年06月20日(日)   代償 

blog持ちの皆様、極めて個人的な理由により http://ping.myblog.jp/ へ
PINGを打つ設定にしていただけると非常に嬉しいです(MyBlogList愛用のため)

さて、何から書けばいいのかな(また言ってるよ)
そうそう、今顔がものすごく痛いのは、あけぼの山で日焼けしたからです。
うん、でも何も言葉が出てこないんですよ。脳細胞まで焼けただれた感じで。

青空の下、緑の芝生に座り込むどころか足を伸ばして観戦という、のんびりしすぎな
(むしろ選手に失礼なくらい)有り様でしたが、乾いた台地は相変わらず
不倶戴天の宿敵で…視認率が上がらないのに業を煮やした私は、ハーフタイム、
蛇口を見つけて、そこで右目のコンタクトから外したのです―それが運の尽きでした。

いや、反転か。違う、逆になったのはエンド。風下から風上へ。

一度は後半のゲームを離れてまで探しましたが、到底無理な話。考えてみると
前にコンタクトをなくして、今のに作り直したのが、昨夏、東城陽の女子トイレで
これまた片方流してしまったのがきっかけだったはず。使い始めた頃は自宅で
3ヶ月に1度のペースで流していた私ですが…すっかりサッカー漬けというか。

風上に立ったレイソルは2点のビハインドから反撃を開始。いや、本当に
どう評していいのか分からないのですよ。この期に及んで戦術というのか
チームの形、攻撃のメソッドが定まらないのは、高校のチームなら夏に向けて
問題ありと一刀両断できますけど、クラブチームの目標は…そこに在籍する
個々の選手にとってメソッドの厳格化とそれによる役割分担、歯車化は
必要なのかと言われたら肯定しかねます。正直、Jクラブユースを見るのは
今年が初めてのようなものなので、チームにしろ選手にしろ、どういう物差しを持って
計ればいいのか、たとえばこのLRに書けばいいのか、というのが真剣に分からないのです。

船山くんがほぼハーフコート、相手DFを何人もマンガのように抜いていって
最後はGKとの1対1を余裕で決めた決勝点、もちろん褒めていいと思う、
褒めるべきだし、ドリブルから最後のシュートまで素晴らしいの一語に尽きる、
だけど、そういう点の取り方が発生したこと自体は、どう評していいのか分かりません。

うまい下手、といい悪い、は全く違う定義。

船山くん、すごい喜んでましたよ。駆け寄るチームメイトを振り切って、
アップ中の選手のところへダッシュ。喜んでいるといえば、ロスタイムに決めた
桜井くんもすごい喜びようだったし、ただれた脳…いや、結局試合をはっきりとは
見られなかった左の網膜にも、挨拶に来てくれたイレブンが、はじけるような笑顔、
本当に久々(←主語は私です)に心躍るような表情が焼きついています。
それが、目の前で見られて、嬉しかったです。もうこれに尽きます今日は。

この試合の重み、ロスタイムのゴールの意味は、後で“調べて”分かった…桜井くんが
大喜びしていたのも“分かる”、だけど、そんなのはさっぱり分からなくても、
やっぱり、応援しているチームが勝って、みんなが喜んでいるその姿、もうその段階で
ファンとしては十二分に幸せだなって。ああ、私は何を選手に求めているのかな。

すごいんですよ、普通に見ててもレンズがずれるんです。いつもなら片目が
ずれているのをもう片目で見つつ直してしまうんですけど、今日は右目が
フォーカスをロストしてしまったので、左がずれるともう見えません。

見えるのは、感じられるのは色だけ。レイソルの黄色。養和の赤。青い空。
緑の芝生。輝く(←色としては感知できない)ロテイロ。輪郭を持たず…ぶれながら
駆け回る、視野の中を移動する“色”の動きは、なんだかアートでした。
私の視野が、現実を克明に映し出す写真風味ではなくて、絵画風とでもいうか。

勢いよく絵の具を塗り重ねた、ゴッホのような―うまい言葉が見つからない、
だけどサッカーは動き、その躍動感が魅力なのだとフォーカスをなくして気づきました。

購入時に保証をつけてもらってるので、チケット2試合分ぐらいで作り直せます。
永田さんの代表ユニに半端でない額を払いたがっていた自分にとっては、
それくらいの思い切りはたいしたことない(それにやっぱりコンタクトは必要。
眼鏡はデスクワークというかPC用なので遠くが見えない…でもこの乾いた街に
住む以上は観戦用の眼鏡もいい加減作るべき? 親切な眼鏡屋もあることだし)し、
トップもユースも辛い光景ばかり見続けてきたコンタクトは、その映した光景の
輪郭と共にあけぼの山へ消えていったと思えばいいのです。全国への大きな1勝の代償として。

等価交換かどうかは、分からないけれど(笑)

私の中の船山くんは、クールに表情を崩さない像だったので、今日の喜びっぷりは
ちょっと意表を突かれた感じがありました。私の中の勝手なイメージだったんですが。
やっぱり彼はスペシャルな存在ですね。そのスペシャルな力をチームのために
生かせる時間が90分に占める割合がもっと上がるといいのですけれども。

相変わらず空腹中枢と満腹中枢に寒暖の感覚がはっきりしないけど、トーストでも焼くか…。


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