Land of Riches


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 2004年06月06日(日)   ロングシート 

中国は大きく力があるのに、それを統制する法が整いきってないから恐ろしい…。

3時になりました。まだ寝てません。イングランドとアイスランドの対戦を
やってますけど、別に見たかったわけじゃないです(苦笑)そもそもCATVの
局地的メンテナンスと生中継が重なってしまった私は、日本戦の前半見てません。
ツーロンの録画したのも。寝て起きたら、またツーロン録画しなきゃいけないのに。

忘れてしまうことが多すぎる―そのために、必死にLRはタイプしてるんです。
昨日スタジアムで食べたもの、牛ステーキにマンガ肉(違)、結局私は
持ち歩いただけのイチゴクレープ、あと買い忘れたキャラメルポップコーン…。
Sさん一押しのビーフシチューは取り扱いなしだしだったし、豚焼き屋はしまってたし、
ホタテもサザエもなかった(目の前でラスト(涙))し、あ、あと本山サワー!(笑)
挙げたらキリがないです。というか1試合で全てを食べつくすのは無理でしょう。

誰だろう、今日が本番だから体力温存しないと、とほざいていたのは(笑)
今日はあけぼの山へおっかない、それでいて他のどのフットボーラーよりも
大切な人がいらっしゃるので、見に行かないと桐の葉好き失格の烙印を
押されるのです(苦笑)昨日電車に揺られてて痛感しました、これを
毎日やっている柳澤くんはすごすぎる、と。もっともっと応援します。

おやすみなさい(マイスリー飲むのが遅すぎますよ!)

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あけぼの山へ行ってきました。
レイソルユース、ヴェルディに完敗しました。
弦巻くんはやっぱり巧いです。他のみんなも。
試合と関係ないところで消耗しすぎたので、また後で。
…こんなアバター(色が全然違う…)も
記憶の中よりは役立つだろうということで。
私はこれまでに、赤い血の流れてない
フットボーラーを好きになった覚えはないんですが(号泣)
本当は赤ストライプで、襟ありで、もっとだぶだぶのパンツです。

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はあ、疲れた…あれ以来、部屋の冷蔵庫には100%オレンジジュースが常備となりました(苦笑)

1-5、サッカーとも思えぬスコアです。私、前半に中台くんがこぼれ球を押し込んで
先制した時、みんなが飛び上がって抱き合ったりして大喜びしていたのを、
“どうしてか”分からなくて、思いっきり乗り遅れました。この試合の重要性を
実感したのは、随分と失点を重ねた後。全国への大事な試合―それだけ私は
ゲームへ入り込むのが遅かったのです。主に二つの要因によって。

―前門の西ヶ谷、後門の菅沼。

悔しかったです。こんなに試合を見ながら悔しかったのはいつ以来だろうという程に。
雨だから、基本技術のレベル差(レイソルにも巧い子はいるけど、ヴェルディは
みんなうまいんです)も如実に出た、それ以上に、色々な場面でメンタルの差を
感じました。監督もそれがお前らの弱さだと指摘していたのですが…。

点をとっても浮き足立たない、ロスタイム(同点に追いつかれたのは、
前半も終わろうかという頃でした)を慎重にやり過ごす、劣勢になっても焦らない、
最後の最後までゴールの可能性がある限りは追い求める…特にゴールに対する
HOT HEART/COOL MINDに大きな差を感じました。こぼれ球が発生する可能性は
確かに運が作用する要素だけれど、その可能性を自ら見切らないでこだわり続けること、
逆に思うようにならない展開だからといってマイボールを自ら簡単に手放しもしない、
そもそものテクニックの差というよりは、自らのスペックをフルに出し続けられる
安定したメンタリティがあるかないか、熱情と冷静さを両立できるかということ。

ヴェルディの10番、うまいと思ったら、豊田国際のVTRで一目惚れの弦巻くんでした。
あと名前が分からないんですが、6番の子はミドルシュートのコースが開いたかを
瞬時に判断できて、すぐに打ってきました。あの視力というか空間解析能力は
すごいなあと思いました。今日は訳あって他の人と離れたゴール裏で見ていたので。

それもこれも、全部、西ヶ谷さんのせいです。私がリアルギャル(…)だった頃、
今となっても羽田さんなど他のどの選手も全く及ばないレベルで好きだった人。
レイソルやレイソルユースが皮膚、ユース代表やアントラーズが血肉ならば、
清商や筑波は骨のようなものです。骨の髄まで染みついたどうしようもない愛着が、
たとえばどれだけadidas JAPANという企業が嫌いでもadidasブランドを使うことを
やめられずにさせたり、“桐の葉魂”という携帯メールで寄越された言葉へ
過剰に反応して、これであけぼの山へ行かなかったら自分でなくなるように思う…。

まさにsoulあるいはspiritのレベルで愛した人。表層の理性感性の及ばない。

最初は他のお客さんと一緒に、ピッチ脇(金網の中)で見るつもりだったんですが、
ヴェルディベンチの様子が分からないシチュエーションにやっぱり(…)耐えられず
見学者は誰もいない、目の前に根本くんたちがいるゴール裏(金網の外)へ。
視線はヴェルディベンチへ釘付け。ナイキの黒キャップをかぶって座る西ヶ谷さん。
心拍数が上がります。他にもヴェルディのベンチはありえない豪華な顔触れで、
「うわ…」と言葉にならない声を発して興奮している姿を、よりによって
池谷監督に思いっきり目撃されて恥ずかしい思いをしました。昨日の勝利を祝いに
朝、トップ練へ行こうとも思ったんですが、行かなくて本当に良かったと思いました。

その思いを更に強くしたのは―試合の途中で、弾んだ声を交わしながら
3人の少年が後ろを歩いていった時でした。どこかで見たような顔だと思ったら…。

だぶだぶのハーフパンツ、白いプーマのシューズ、そしてビニール傘。
初めて見ました、菅沼さんの私服姿―年齢相応の“かわいい”格好を。
その横には石川直樹さんと、顔は覚えているのに名前が思い出せないユースOB。
(彼の軽に乗って3人は来たんですけど、助手席に菅沼さんで後部座席に石川さんでしたよ)
3人が歳相応に見えたのは、仮にもJリーガーの二人が、今までK-WESTで会った二人と違い、
別に一般人と違う立派な体格をしてはいないから。菅沼さんって、やっぱり細い…。

本当に3人は他の客に混じって普通に見ていたんですが、椅子もないし、
時折しゃがみこんだり、ポケットへ手をつっこんだり、手を袖の中へしまってみたり、
頭の後ろに手をやって伸びをしてみたり、普段の威厳(?)のカケラもなし。
試合があったとかで先輩の試合を見ていた年少組には挨拶されてましたが。

菅沼さんはピッチでは刺々しい闘気をまとっていて、そのオーラが好きです。
ファンサの時…ピアノへ戻る時には基本的には解いてくれてて、それが機嫌によって
まとったまま引き揚げてくる(宇野沢さんが長い間そうだったんですよね…二人が
まとっているオーラは同系統)こともあったりして、びくっとしたり、そんな人。
そんな姿と違って、今日はオフなのでリラックスして…無防備という言葉が
よく似合う、屈託のないさまで、こんな一面もあるんだ(いや、持っているのは
ごく自然なことなんでしょうけど)と改めて好きになりました。こうやって
応援に来ちゃうところとか、試合後にはテントの後片付けを雨の中手伝ったりもして。

そう、オーラといえば…西ヶ谷さんはヴェルディのベンチで普通に座っていても、
明らかに浮いているんですよ。それが私のマイナス思考もとい感覚の生んだ
幻想でないことは、逆転ゴールの直後に思い知らされました。都並さん以下、
コーチングスタッフや控え選手がみんな飛び出してピッチの選手と喜び合ったのに、
独りだけ、独りだけ動きもしないで、しばらくあって、こういうシーンでは
立たなきゃいけないのか、とでも自らへ律したかのごとくゆっくり立ち上がって。

ヴェルディはどのクラブよりも“クラブユース”として独特の雰囲気があると
思うんですけど、西ヶ谷さんはそれと全くそぐわない系統の人間で、そう分かっていたから
コーチへ就任したと聞いた時、本当に驚いたのですが…いまだに、目にした
今でも理解不能です。なんでですか? 中京大中京でも筑波でも鬼コーチでしたが、
まさかそのままだったとは。いや、間違いなく昨年、総理大臣杯を萩谷@高槻まで
西ヶ谷さんを見るためだけに行った時、石化させられそうになったのよりひどくなってます。

普通、人は歳月を重ねると丸くなるのに―どんどん怖くなってます。今日は、
たとえるなら、血液を即座に凝結させる即死呪文のような雰囲気を漂わせてました。
都並さんはいろいろと指示(ヴェルディのコーチングはピッチの中でも外でも
考えさせる系、今の選択はどうだったかと問い尋ねるものが多い)するのですが、
西ヶ谷さんは無言。やることは交代用紙を出すことぐらい。安達さんみたいな
外へ外へと発揮される怖さなら、まだ分かるじゃないですか。この人は動かない。

試合の後、レイソルイレブンが挨拶に来た時、初めてキャップを取ったのですが、
監督達が拍手する中、一人だけ一礼。どこまでも部活なオーラをにじませます。
そして、都並さんたちが選手とジェスチャーさえ交えて笑って話しながら
引き揚げるのに、コーンを持った堅い顔(勝ったことやスコアなんて、
もうこの人の表情を変えさせることはできないんですね…萩谷の時だって、
笑ったのは吉成さんがプライベートの話をした1回だけでしたけど)の
西ヶ谷さんには半径3m誰も近づきはしないし、選手とすれ違っても目も合いません。

私も、出待ちっぽいことをして、少しでも接近しようとするのですが、
本能というかよく分からないものが私の足を近づけさせず、結局、10m近く
離れてないと立っていられませんでした。西ヶ谷さんがいることに対して、
よりによって私はビクビクしてるんですよ。怖いんですよ。恐れてるんですよ。

「にーしーがーやーさぁーーーんっ!」と絶叫する私も、それへ手を振り返す
西ヶ谷さんも、そのリアクションに黄色い悲鳴を上げる私も、本当にあったことなのか、
それともその時見ていた西ヶ谷隆之という人は、今そこにいる人と違う人なのか、
なんともいえない気分になりました。筑波のコーチになった時、怖い怖いと
伝え聞き続けて、実際見てみたら本当に怖いオーラを一瞬も解かない人で、
私をトヨスポへ通い詰めさせたシャイなルーキーは、ファンから走って逃げる人は、
ちょっと望月さんにアンビバレンスっぽい感情を抱いて苦笑いしていた筑波の
DFリーダーは、同じ名前の同じ顔をした人なのに、なんでこうも変わったのかと。

私も変わったけれど、少なからず変わったけれど、でも、近づけなくなった
西ヶ谷さんに足がすくむ私は…鼓動を高鳴らせながらも怯えている自分は、
老いたのか、もっと優しい選手たちと巡り会えたのか、よく分かりません。

松原さんは昔よりいい人っぽかったのに。土田さんや小笠原さんはどうなんだろう?
京輔さんとも早く会いたいし、大三さんがどんな指導者なのかは本当に興味があります。
…西ヶ谷さん、望月さんと、“王様”と一緒だった頃は、もう少し穏やかだった気がします。

今日の雨はどんな感情も洗い流してはくれませんでした。


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