Land of Riches


IndexBeforeAfter

 2003年12月01日(月)   刻印 

お誕生日おめでとう、ハネ!

X-DAY決定しました。金曜日。いや、本当は記念すべき今日から…と思って、
家族には「まだあんた会社辞めてから半月(以下略)」と言われるような
スピードでやってきました。とはいえ、部屋はいつも通り汚いままですが。

特別な日、特別な人。

週末は戦力外の情報収集に忙殺され、たまったLRも書くつもりでさっぱりでした。
23日―試合を終え、即座にスタジアムを飛び出しそうとした私へ聞こえてきた、
ホーム最終戦だから(アントラーズイレブンが)場内一周をするというアナウンス。
慌てて階段を駆け登り、スタンド―アウェー側のゴール裏だけど―へ戻りました。
飛び込んできたのは、誰かの息子さん(たっくん?)と戯れる野沢さん。
焦点の合う先を探しているうちに、野沢さんは“照準”のすぐ隣に来てました。
羽田さん―試合の途中、ちらちらメインスタンドを探そうともした人。

もう2年以上、こんな形でしかホームのピッチへ立てなくなってしまった羽田さん。
他の選手と同じコートを着ている…なんら疑問を挟む余地のない姿を目にして、
私は気づいたのです。いや、気づいていたかもしれない、だけど捩じ伏せてきた感情。

私は……羽田さんの現実を直視するのが辛くて、アントラーズを敬遠してきた。

えんじと紺のウェアは、カシマスタジアムは、羽田さんの所属するクラブの一部で、
むしろ現在も羽田さんの一部で、羽田さんもクラブの一部で、それらの連関が
連想させる力の強さ―つまり想像力に対する刺激の度合は、永田さんや増嶋くんなど
“3バックの中央に入ってのディフェンス”とは比較にならないのです。
だって、彼らは私の心の中でしかつながっていない、でも茨城県鹿嶋市に実在する
ハード(スタやクラブハウス)やソフト(たとえば野沢さん)は本当につながってます。

私は、弱いから、過ぎ去った2年3ヶ月の時間を、背負う重みに耐えられなくなっている。

ただのファンなんだから、捨てられるんです。浮気とかして。実際にしてますし。
でも、本人は彼の人生を放棄する…そういう生き方をやめることはできないのです。
あの試合、アウェー側のチケットを買う時点から何度も試されてるような気がした、
菅沼くんが下がってからは何に焦点を定めればいいか心底分からなくなった
(だから私は仕方なくスタンド下で試合を眺める聡太さんを見てました)
中途半端な自分へ下された鉄槌でした。一番内回りですすっと歩いていく彼は。

想像力なんてものがなかったら、私はもっと幸せになれる、そんな確信がある。

自分を幸せにする、幸せになるのだってどうしていいか分からなくて、悩んで、
もがいて、あがいて、日々苦しんでいるのに、誰かを幸せにするなんて、
どうすればいいか、見当もつきません。心からの笑顔をまたこの目で見るには。

…私は、イングランド戦で、永田さんが、本当に笑っていたとは思えない。あの目は。

結婚とか、出産とか、友情とか、家族とか、談笑とか、ヒトに普遍の概念たちが
抽象的な形でわんさか襲い掛かってくる…歓喜の歌@ベートーベンを聴いていると。

話は変わって―サッカーを見ていると、嬉しいことより悲しかったり怒ったりの方が
多いのは分かりきってますけど、罵詈雑言をネットで書く日記でも並べられる人って
凄いバイタリティの持ち主(書く間怒りを持続しないといけない…)だと思います。
私も反射的な暴言はスタンドでどっさり吐いてますけど、ネットでは書けません。
形に残って、それを後から読み返すことができる―しかも、自分以外の人にも。

なんか嫌です。それとも、ここも感情の記録を目指すならそうあるべきでしょうか?
書くことで高ぶった感情が収まるのは、経験で知ってますけど。


やぶ |MailWeblog