Land of Riches


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 2003年11月15日(土)   DISCOVER WEST 

鬼束ちひろ「いい日旅立ち」が、米原駅でエンドレスリピートになってました。
…正直、TOKIOの「AMBITIOUS JAPAN」の洪水よりは余程マシだと(暴言)

磐田よりも京都の方が家から近いのに気づいたのは、ごく最近なんですけど、
京都が通い慣れ、すぐ着くという感覚が染みついているのに対し、神戸は遠かったです。
ウイングも今年何度か行っているのに…どうやら病んだ心は、2時間を超える電車の旅に
耐えられなくなっているようです。いつになく、乗る前に雑誌や新聞を買い込んでました。

海岸線を使い慣れていなくて、JRからの乗り換えは三宮の街を延々と歩くよりは、
神戸駅からハーバーランドへ出た方が早いのも知らなかったり(ハーバーランドには
お気に入りのアイスクリーム屋さんがあって、今回も行きました♪ いきなり地下へ
移転していたのには驚きましたけど)いろいろありましたが…スルッと関西カードも
使えると分かっていたくせに、家へ置き忘れて(今年は西京極通いで使い過ぎて
何枚も買っている)また買ったりもしました。これも西京極と同じなのですが、
とにかく少年サッカーの招待が多すぎて、囲まれるとたまったものじゃないです…。

ウイングはスタンドとピッチがとても近いスタジアムですが、屋根を閉められると、
もはや体育館以外の何物でもなく(日照が悪くて芝が傷むのは、当たり前のような)
しかもアウェー側の売店は、まともなものが売っていないという悲しさ。そんな中でも
黄色いレプリカを着た人は結構来ていて、私はこっそり#20のリストバンドをはめつつ、
どこへ位置取りするか悩んだ末、若干バック寄り、サポーターの少し上へ座りました。

バック寄り―永田さんがセンターへ入るのは分かっていたので、どちら寄りにするか
考えてゴール裏をウロウロしてしまったのですが、“左サイドが攻め上がってくる方”を
選んだのは、そちら側が菅沼くんの得意とするプレーエリアだったからです。

菅沼くんがベンチに入ったのは、電車の中でいただいたメールで知りました。
水曜に声をかけた時、神戸(トップ)か静岡(ユース)のどちらへ行ったら
プレーを見られるかという問いに対して、「静岡行きます」と言い切ってくれました。
Jユースカップでも結果を出し、練習でもキレの良さは見ていて伝わってきたのですが、
「U-20組が戻ってくるから」と、悔しさをにじませた声で言っていたのに…嬉しい
裏切りでした。もともと、どちらにも足を運ぶと決めていたのですが。ともかく、
そんな菅沼くんはベンチの一番外側で、時折身を乗り出しながら戦況を見守ります。

水曜にさんざんなプレーを見せてくれた永田さん―「ながた!み!つ!る!」コールを
背に受けつつ目の前のゴールを守る20番を眺めながら、私は、もはやこの人を
青の5番ではなく黄色の20番だと見ていて、レイソルのゴール前に立っていれば
それでいいじゃないか、という心境になったのでした。こんな気分にさせてくれたのは
彼が初めてかもしれません。いつだって代表チームから始まってクラブへ目をやる、
それの繰り返しで、今もそうしていると信じて疑っていないから、疑っていないのに…。
延期からの半年は、私には長すぎたのかもしれません。良い時間だったけれども。

今までずっと、代表でレギュラーの人ばかり見ていたから。

それはさておき、いつもなら強引なくらいマイボールとしてキープし、パスへ出すことへ
こだわるのに、珍しくセーフティファーストに徹していました。渡辺毅さんみたいに
大きく蹴り出さないにしても。水曜の失態が身に染みているんでしょう。きっと、
あの日のように尋ねたら、同じようにいつも通りと答えるだろうけれども。

ヘッドでの競り合いにはほとんど負けて、薩川さんがいなくなっても渡辺毅さんや
萩村さんにフォローしてもらいまくり(水曜・木曜と徹底的に守備の練習をしただけあり、
ディフェンスに関しては誰かがミスをしてもカバーするという意識が素晴らしく高く、
全体として見ていて満足できました)で、まだまだだなとは痛感するのですが、
それでも3バックとGKが自分本意に動くU-20と比べたら、永田さんはレイソルでは
チームメイトに恵まれているな、としみじみ感じました。贔屓目かもしれませんが。

とはいえ、前半早くにはサイドバックかと錯覚するような鋭いオーバーラップも
披露してくれました。永田さん、時を遡れば遡るほど旺盛に攻撃参加していたようで、
昔を知る人から見れば物足りないようですが、この人のウリは守備よりもむしろ
攻撃に転じた時の活躍なのですから、もっと見れればいいのに、と素直に望むのです。

けれど、どれだけピンチをしのいでも、しのげなかったのがあればそれが命取りで、
言い訳無用、それ以外のどんな好プレーも無駄になる、当たり前の掟、辛すぎます。
攻撃は、そうではありません。前線のタレントへ過剰に依存するのには、玉田さんが
あまりに気の毒で…そしてポストプレーを続ける宇野沢さんにも切なくなりましたが、
とれるわけないだろう、と達観しそうになる前に、前線の思うがままに振る舞う
トライアングル(玉田・宇野沢・谷澤)の流れるようなパスワークから、谷澤さんの
素敵なゴールが生まれたのは、本当に奇跡のようだと思いました。嬉しかったです。

玉田さんが打撲で無理が利かず下がってから(しばらくはやっていたのですが、
やはりウイングはピッチがあれですから、無茶はさせられません。とはいえ、
冷やしながらベンチで足を投げ出して見ていたぐらいなので、たいしたことがなくて
良かったです)ますます点を取れる気がしなくなって、投げ出しそうになった自分を
ピッチへ引き戻してくれたのは、31番でした。早く入れ、入れてくれと心のうちで叫んで。

菅沼くんは、とにかくシンプルにゴールへの意欲を表現する―そこを守るのが、
たとえシジクレイだろうと果敢にぶつかっていく、そして181cmの長身を活かして
懸命に後ろ向きでボールを落とそうとする(苦笑)宇野沢先輩とのツートップは、
互いを知っているだけにやりやすくはありそうで、追いついてくれそうな気がしました。


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